その4. 掃除編
轟 志津香

 朝の10時ごろスペインの街中を歩くと、開店に備えて忙しく掃除をする人々がよく目に付きます。

 独特の洗剤のにおいが漂い、うーん、朝だなぁーと実感するひととき。同じころ、夫と子供たちを送り出したスペインの奥様方も、いざ掃除へと出動します。掃除用具を小脇に、大きなおなかをゆすって、今日も家族のためにお掃除、お掃除・・・。

 スペインの主婦はどうやら掃除好きのようです。毎朝せっせこ、床をぴかぴかに磨き上げるのですよ。素晴らしき主婦たち!

 ところで、掃除と一言で言っても、日本のそれとスペインのそれとでは、少々違いがあるのをご存知ですか?もちろん、きれいにすることが掃除であることには変わりないのですが、掃除の仕方が若干違う。そもそも、床に対する概念が違うんだから、掃除方法が違ってくるのも当然のことですね。

 だれでもが知っているように、スペインでは靴のまま家に入ります。床は石、タイルがおもで、前面じゅうたん、ということはまずありえません。これが掃除のポイント!じゅうたんや畳ではないのだから、気にせずに水でじゃぼじゃぼ床磨きができるというわけなんです。

 では、スペインで掃除に困らないよう、ここでスペイン流のお掃除方法について、ご説明いたしましょう。


【スペイン流、正しいお掃除】
 用意するもの:ほうき、ちりとり、モップ、バケツ、床磨き洗剤

一:ほうきで床全体を掃いて、塵、ほこりを十分に取り除く。掃き残しがあると、
モップで拭くときにやっかいなことになる。

二:バケツに水、床磨き洗剤を入れ、よく混ぜる。床磨き洗剤はさまざまな種類
  があるので、好みに合わせて選びましょう。

三:バケツにモップをひたす。

四:バケツに付いているモップしぼりでモップの水気を十分にとる。モップをね
  じりながら、全身の力を込めて!

五:スペインの主婦に習い、ほどよい力加減でリズミカルに床を磨く。ここで鼻
  歌を歌うのもよろし。

六:全体を磨き終わったら、バケツの水を捨て、きれいな水を入れる。

七:モップをよく洗い、しぼって床を水拭きする。モップを洗うときには、モッ
  プの柄を量手のひらではさみ、くるくる前後に回転させる。たけとんぼを飛
  ばすときの要領で。

八:床が乾くまで待つ。乾く前にむやみに動くと、せっかくきれいにした床に足
  跡が残ってしまうので要注意!

上記の方法で、毎朝、家全体を掃除します。家庭によっては、浴室にモップが1本常備されている場合があります。

 なぜでしょう?さあ、スペインのお風呂を想像してみてください。トイレ、洗面台、バスタブが全て一緒になったあの西洋の浴室ですよ。バスタブのへりにはカーテンがひらりとはためいていて・・・。カーテンを内側に入れてシャワーを浴びるのは分かっているけど、浴び終わってバスタブの外へ出てみると浴室一面水浸し、なんて経験したことありません?例えばどっかのホテルとか。

 浴室に常備されたモップは、そういうときのための1本なのですよ!どうせ床はタイルなんだから、ぬれたってどうってことはありません。シャワーから出たあとに、モップで拭いておけばいいだけ。

 スペインの生活に慣れると、日本とは違う、こういった掃除のあれこれがとても便利であるということに気がつきます(あくまでもスペイン生活の中で、という意味です!)。

 郷に入りたら郷に従え、とは本当によく言ったもんですね。

 最後におまけ情報。モップの先は付替え式になっているので、消耗したなーと思ったら、先っぽだけ買ってくればOK。わざわざモップ1本買う必要はありません。スーパーでも、日用雑貨屋さんでも売ってますよ。

 では、健闘をお祈りしております。