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2ヶ月ぶりでセビージャに帰ってきたよ。東京の夏は事の他、暑かったけど、アンダルシアは今年、「えらく涼しかったよ」と仲間たちが言っていた。
例年なら、40〜50℃まで気温が上がり、市民は海岸や山にバカシオネに行き、街は寂しくなるのだが、お金の工面がつかず、やむを得ずセビージャに滞在した貧しい僕の仲間たちにとっては、この涼しさは幸いしたようだ。
でも日本のテレビ・ニュースでもしばしば報道されたように、ドイツを中心にヨーロッパ各地で大水害が発生し大きな被害が出たが、この涼しさは異常気象のせいらしいので、喜んでばかりはいられないんだよ。
確かに涼しい。朝夕はTシャッでは居られない。長袖のトレーナーか女性ならウールのセーターが必要なくらいの寒さを感じる程だ。でも日中は30℃の日差しが夜の8時ごろまで直撃するので、洋服のコーディネイトが大変だ。
でもこちらの若い人は元気だ。特に女性は皮下脂肪が厚いせいか、夜中もノースリーブで平気で歩いているよ。みんなよく日焼けしている。顔も腕も足もこんがりとチョコレート色。それを剥き出しにして「みんな見て頂戴、今年の夏はうまく焼けたわよ」と言っているかのようだ。そして新発見!! 刺青をした若い女性の多いこと。
驚いたよ。刺青といっても日本の任侠の世界とは別物。ワンポイントの刺青だ。両腕の肩に近い部分のところにワンポイント。花や刺繍の柄が多いが、日本語で"命"とか"忍"なんていうのも見かけたよ。
また、おへそ丸出しルックが多いので見えてしまうんだが、尾てい骨のあたりに刺青を施した女性も多い。あんなところに刺青を彫って、赤ちゃんを生む時は大丈夫なのかなあーと心配してしまうよ。街をよく観察すると、なるほど、タットーの店が目に入る。今年の夏はこのタットーの店が繁盛したそうだよ。流行とはいえ、良いことなのかねえ。日本の女性は真似して欲しくないなあー。
ビエナル現地情報
ビエナル・デ・フラメンコが9月3日から始まった。10月6日まで1ヶ月以上のフラメンコの祭典だ。
僕は家内と一緒に3日目のリアル・アルカサルのマエストリアを見に行った。舞台は観光客が必見の、セビージャで一番美しい宮殿と庭園を誇るアルカサルのパテイオだ。しかもテーマが熟練というのだから、オールド・ファンはもとより、フラメンコ通には堪らないライブだ。
カンテの大御所、トマサ、サンチェス、そして日本公演で大人気を博したチャノ・ロバートの3人が勢ぞろい。そして踊りはバタ・デ・コーラを得意とするミラグロ・メンヒバルが美しい建物ムデハル形式のアルカサル宮殿をバックに踊るんだ。この出演者が発表されたらアッというまにソールド・アウトになったというほどの人気者が顔をそろえたんだよ。
会場はスペイン各地から集まったスペイン人が多いのは当たり前だが、日本人が大勢、そしてイギリス人、フランス人、アメリカ人、最前列にはインド人もいたよ。予想通り、日本人のフラメンコ・ファンで溢れていたが、2人の日本人女性はチケットはダフ屋から買ったそうだ。予約や前売りを利用できない旅行者にとってはダフ屋から購入することもやむを得ないね。
ダフ屋といっても日本とは大違いで、せいぜい定価の2倍程度、この日は17ユーロー「約2000円」だから倍としても4000円、この値段で超一流のアルテイスタを観劇できるのだから、まあー、物は考えようだよね。彼女達も納得していたようだ。尚ちなみに9月27日のイスラエル・ガルバン 10月3日のジェルバブエナはソールド・アウトという情報だよ。
ミラグロの踊りを見て美穂さんを思い出した
黒のコーラ(バタ・デ・コーラ=裳裾を引きずったスカート)に真紅のマントーンで登場したミラグロ(ミラグロス・メンヒバル)は素敵だった。大柄な女性だが、アルカサル宮殿を威圧するかのような激しくも情熱的でダイナミックな踊りを披露。腰を痛めているということだが、長いコーラを鮮やかに巧みに捌き、フィナーレでは会場全員がスタンディング・オーベェーシヨンでミラグロを讃えた。
僕はミラグロを見ながら、僕の大好きな日本の踊り手のトップ、田中美穂さんを思い起こしていた。
美穂さんは昨年の夏のリサイタルで、オープニングに水色の長い長いコーラを駆使して、アレグリアスを見事に踊りきったんだ。それはそれはダイナミックな踊りだったよ。小柄な美穂さんが大きく見えたんだ。
この美穂さんのリサイタルでは、家内のフラメンコの師匠という関係でほんのちょっぴりお手伝いすることがあったんだが、リハーサルを終えた美穂さんのコーラを運ぶ時、この衣装の余りの重さにびっくりした。男の僕の力でも重いと感じる程の衣装を、いとも簡単に捌く芸は凄いものだよ。運ぶ時、美穂さんの体臭と汗の匂いがほんのり漂い、とても幸せな気分がした。
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