日本は9連休だったそうだね。でも企業によっては、暦どおりの休日しか許さなかったところもあった、と、ネットで読んだ新聞に書いてあったけど、本当なの…?
日頃は勤勉に働いているのだもの…それに景気は上向いているのだからゴールデン・ウイークぐらい大盤振る舞いしても良いのにね。
セビージャの5月は、1日のメーデーが国民の休日で土日を含めると3連休だが、大型連休は、実は4月に全てが終了しているんだ。
4月1日から8日迄がセマナ・サンタの聖週間、4月24から29日迄がフェリア・デ・アブリルの春祭りで連休OK。だから、セビージャ市民の4月は、キリストの生誕と世界三大祭のフェリア開催の為、積極的には働かない月なのです。勿論この合計14日間全てが国民の休日という訳ではないが、仕事を休んでも誰も文句は言わないし、周りの者も「当然」という雰囲気なのです。
この長期休みで一番被害を受けたのは、セビージャに常時100人以上の生徒が学んでいるフラメンコの留学生たちだ。一流処のマエストラが皆、休みを取って、諸外国にクルシージョに行ってしまうから、レッスンが休みになってしまうのだ。先生方は日本に、イタリアに、ドイツに、フランスに出稼ぎに行って大忙し。
毎日レッスンに明け暮れる留学生達は「月の半分が無駄になってしまう。でもセビージャの習慣だから覚悟して対応しなければ…」と…。
地球温暖化…
しかし、セビージャに夏がやって来た
それにしても、スペインの春4月はお天気が悪かった。悪かったなんて言い方は甘すぎるかもしれない。
特にスペイン北部は大雪に見舞われたり、洪水が氾濫したり、台風並の強風が吹き荒れたり、祭りなんかに浮かれてはいられない状況だった。
セビージャも祭りのシーズンを迎え、大挙して観光客が訪れてくれたが、生憎の空模様で、毎日のようにシトシトと雨が降り、セビージャの最大の魅力であるセルリアン・ブルーの大きな空や輝く太陽の光を浴びる事が出来なかったのは本当にお気の毒だ。
ところでこの春、読売新聞の社説に『気候変動の影響が世界中に及んでいる。季節外れの悪天候が世界各地で起きている。京都議定書が定めた地球の温暖化による気候の変化が、すでに出始めたのだ。今後も強力な対策を講じなければ地球は益々死滅状態に追い込まれるであろう。その点では、京都議定書に反対したアメリカと中国とは異なり、EU各国[ヨーロッパ連合]は二酸化炭素など温室効果ガスの排出量をEU全体で20%削減する事で合意するなど、京都議定書よりも更に厳しい対応を実行している』と、書いてあったが、その積極的な対応策も空しく、地球温暖化による異常な気候変動がスペインでも起きているのである。この例年にない気象状況を目の当たりにすると、オーバーでもなんでもなく、地球壊滅という言葉が現実味を帯びてきて背筋がゾクゾクするのは僕だけだろうか…。
と言いながらも、4月末から5月になって天気が回復して来た。雲一つない快晴の大空が広がり、強烈な日差しが痛いほど目を射てくる。乾いた風を突き破って陽光が白刃となって降りかかってくる。夏の到来である。
グアダルギビル河の川面もキラキラと光だし、河沿いの野草に色とりどりの花が咲く。ミツバチが蜜を求めてブンブン飛び交う。
セビージャに夏がやってきたのだ・・・・。
イノシシ肉で元気になった!
お天気の話から難しい話題に脱線してしまったが、身も心もウキウキの春爛漫の5月だもの、この辺で楽しい話題にしよう。
かなり前に、アンダルシア州の美味しい物やレストラン、見所などをご案内した“アンダルシアにおいでよ!第3弾”を書いてから、もう2年半が経過してしまった。僕はメモ魔だから、体験した事実は取材手帳に書くのが習慣、また、その時に支払ったレストランの領収書なども残してあるので、チビチビ思い出して、今回久しぶりでセビージャを中心にご案内しよう。
まずは食べ物のご案内!
今回、日本からセビージャに戻る2日前、仲良しのクマさん御夫婦が三鷹の我が家を訪ねてくれて「狩猟が好きな僕の親父が、信州の山奥で仕留めたイノシシの肉です。今年の干支だし、縁起がいいので、タカオさんの送別にはピッタリでしよう。僕が料理します…」と言って、作ってくれたのが“イノシシ鍋”と“イノシシ・ステーキ”だった。
クマちゃんは会社の社長ですが、調理師の免許を持っているだけに料理のプロ。この二つの料理を簡単にいえば、味噌味仕立ての出し汁にイノシシ肉と各種野菜を入れた鍋料理と塩・コショウを振りかけた焼肉である。
このイノシシ肉、つまり山鯨ボタンは獣肉のイヤな匂いが全くなく、味も円やかで柔らかく、上等な牛肉を食しているようで、食べれば食べるほど、元気が出てくるような料理であった。
当時、僕は旅の支度をするのも面倒なくらい身体が疲れていたが、このイノシシ肉を腹一杯頂いたら、本当に、身体が動くようになったのだ。
クマちゃんのお陰でテキパキとセビージャ行きの荷物をまとめ、旅発つたのである。
セビージャでイノシシ料理を食べるなら…
このイノシシ肉の味を引きずってセビージャに戻ってきた僕は、地元のテレビ局カナル・スール・アンダルシアで、セビージャ郊外の山林地帯で盛んに行われているイノシシ狩の映像を思い出した。
「セビージャにもイノシシ肉を食べさせるレストランがあるに違いない!」
僕は地元通のホアンに聞いたが「ああ〜カンポ・カンポ…」と、素っ気無い。つまり田舎に行けば食えるよ、というわけだ。
そして或る日、カテドラルから歩いて3分、アルゴテ・デ・モリーナ通りのオマールの店を久しぶりで訪ねた。
オマールとはもう長い付き合いで、僕のたどたどしいスペイン語を理解してくれる奴である。彼は現在ヘッドハンターされてセビージャでは5本の指に入るスペイン料理レストランの老舗 MESON DON RAIMUNDOのカマレーロ長である。
「今日の美味しい物は何…?」
「タカオ・・今日は Jabali・ハバリが最高だよ」
「何・・ハバリ…イノシシかい…?」
こうして僕はセビージヤ・セントロでイノシシ料理に遭遇したのである。
料理は“costillitas de jabali al horno de lena・薪で天火焼きした骨付きイノシシ肉”という。ハーブにたっぷり浸した骨付きのイノシシ肉を角切りにし、塩胡椒して、ゆっくり、丹念に“薪釜戸”で焼き上げたもので、さすがに伝統の老舗ライムンドの厨房にはこの釜戸があったのだ。
薪でじっくり焼いただけあって、余計な脂肪分がなくなり、勿論獣肉の匂いもなく、あっさりした味わいである。ナイフ・フォークは面倒くさいので、もうスペア・リブを食べるように手づかみで頂いた。メディア・ラシオン[中皿盛]で10個程、二人で食べても、もう充分である。値段は10eur[1600円程]であった。
食後走り出したくなるほど力が漲ってきた事は間違いのない事実である。スペイン旅行でスタミナを無くした旅行者はぜひ試して欲しい一品です。
そうそう、この名門ライムンドは量が多いことでも有名だから、ラシオン[大皿盛り]一皿を2、3人で食べることだね…。
さあ、次はステーキの店だ
次もお肉…。日本人は「肉はやはり牛のステーキだよ」という方が圧倒的だよね。
あるよ、あるよ、セビージャ・セントロに子牛のステーキを格安で食べさせるタパス料理[お手軽な小皿料理]の店が。店の名は、地元セビージャっ子なら誰でも知っている
“BAR EUROPA”だ。この店は過去に何度もタパス料理コンテストで賞を取っている店で“美味い店”として評判。またシェフが全員女性なのでタパス料理でありながらも上品な味とお洒落な仕上がりで人気がある。
目指す子牛料理は“lomo de novillo argentine con 「ROSTY」 de patata y panceta・若牛フィレ肉のアルゼンチン風ステーキとジャガイモ・ベーコンのロストイ風オーブン焼き”という。
タパス料理なのにとても贅沢な、そして長ったらしい名の料理だが、実に美味い。
手のひらサイズの小ぶりの若牛フィレ肉をレアーで焼いて、ブルーベリ・ジャムを付けながら、つまりアルゼンチンで食すステーキの食べ方に、ジャガイモのスライスとベーコンをミックスしたオーブン焼きが添え物として載っている。お肉とジャムなんて日本では考えられないが、牛肉と甘いジャムが実に合うのだ。タパスなので一切れだが、僕は充分。
これで4eur・約600円である。肉好きの人なら、もう一皿追加しても良い。他のタパス料理も賞を取っただけの価値があるよ。
量が少ないタパス料理だから、日本の女性にはピッタリかもね…。
セビージャで魚料理が旨い店は…
肉の次は魚だろうね。
知っておいて欲しいのだが、我がセビージャもそうだが、スペインは、肉料理は安いが魚料理は高い、と思ってください。セビージヤ・セントロで、例えば、生ガキや身のたっぷり入った茹で蟹を食べると「う〜ん、いい値段!」と、驚くだろうな。しかし新鮮な魚介を食べさせてくれるので納得するだろう。
さて、セントロを離れグアダルギビル河を渡るとなだらかな丘陵地帯が続き、国道沿いには緑いっぱいの街路樹と花壇に彩られた新興高級住宅街が見えてくる。庭付きの一軒家が連なっている。ここ10年来で発展した町 GINES・ヒネスである。
この国道ヨーロッパ街道沿いに大きなテント張りの店“BARCO BRASAL・ブラサル船”がある。船上レストランのイメージで白テントが帆船の帆のようだ。
この店はセビージャ市民の台所に新鮮な魚介類をもたらすウェルバの魚港から、直接運んできた上等な魚介類だけを食べさす店として、最近超人気である。僕らはバスで行くが、殆どの人はマイカー。セビージャ・セントロから15分。タクシーでも1000円程だ。
貝や白エビは前菜として、メインは炭火で焼いてくれるお魚である。ウェルバ沖で獲れるDorada・黒鯛 やPargo・真鯛を開き、スペイン一美味しいと言われているSAL・MARINA[ウェルバ産ナチュラル岩塩]を振りかけ炭で焼いた、いわゆる魚の塩焼きである。
油が乗り、身離れもよく、肉厚な身にレモンをジュッ…。美味しいよ。もう、白ワインが進むこと、進むこと……。
黒鯛も真鯛も大型だから、僕らは4人で一匹ずつ注文したが食べきれない程のボリュームだったよ。その他サラダなども注文して、一人20eur・3000円ぐらいだった。
特筆すべきは、この店のカマレーラZARA・サラさんは栃木県の日立で5年間も働いていて、日本語がペラペラなので、注文は日本語でもOKです。
そうだ、“モンタディット”の店も紹介しておこう
さて、食べる事ばかりですが、再びセントロ・セビージャに戻って、便利な店を紹介しよう。
スペイン人は勿論パン食だが、パンにも色々種類がある。バーラの1キロパン[家族皆で千切りながら食べる]、アセミッテ[2キロもあるパンで、ナイフで小分けに切って食べる]、ボージョ[一般的な中ぶりのパン]、バーラ[いわゆるバゲット、朝食向き]、モジェッテ[やや小さめで焼いて食べる]、など等だが、ペピートという小ぶりのパンをふたつ割にして、ハムやチョリソーをはさんで食べる“モンタディット”というパンの食べ方がある。
このモンタディットは銀紙に包んで持ち運びができるので、スポーツ観戦やハイキングに便利なのだ。そのモンタティットを100種類用意して、速やかに食べさせてくれる店がセビージャ・セントロの真っ只中、カテドラル大聖堂側に開店して、今、人気を呼んでいる。
店の名は“CERVECERIA 100 MOTADITOS・ビヤホールと100種類のモンタディットの店”という。
店に入ると飲み物を注文、次に1から100まで数字が羅列してある100種類のモンタディットが書かれた注文表を渡される。全て1eurという安さ。食べたいモンタディットに記しをつけ、自分の名前を言う。5分ほどで「タカオ!!」と名前を呼ばれる。出来上がったモンタディットを受け取り食す。こんなような店だ。
味はまあ〜まあ〜かな。お勧めは1番のハモン・イベリコにエキストラ・バージンオイルがかかったもの、7番のマグロの切り身も美味い、33番のトーストにサルモレホ・ソースを挟んだのもいけるよ。まあ〜、小腹が空いた時に立ち寄ったり、食べながら街を散歩したい、という方はお立ち寄りください。
セビージャの目抜き通りから排気ガスが消えた!?
食べ物の話はこの位にして、セビージャ市内を観光する時は、ブラブラ歩くのがベターだが、疲れやすい人は、ぜひ「自転車に乗ってください…。快適だし、疲れないし、便利だよ」
と言うのは、またちょっと難い話になるが、スペインは京都議定書に基いて、環境問題には積極的な姿勢で臨んでいる、と述べたね。
そのひとつが、車の排気ガス規制問題である。新規制によれば、2012年までに、車の
排気ガスに含まれているCO2の量を現行の160グラム以内から120グラム以内に抑える必要がある、と定められた。
その為には、モーターの改善、車体の軽量化、高性能のエアコン設置、バイオ燃料の使用など、経費を含めて難題をクリアーしなければならない。しかしスペインはヨーロッパの中でも、軽自動車、小型車などの工場を多く持っているため、車産業界にとっては経済的に大きな打撃である。スペイン政府は頭を抱えているが、この排気ガス新規制問題に苦しみながらも打破しようと懸命である……。
わが街のセビージャ州政府は、この2012年の新規制問題を前にして、今年2007年の春から、車による環境問題をより健全な方向にすべく、セントロ地区には一切車を乗り入れない交通法を実現している。
セントロ地区には、セビージャの経済を支えるビジネス・ビル、ショッピング街、市民生活に必要な市役所、観光地セビージャのシンボルであるカテドラル大聖堂、ホテルなどが密集しているが、今まで自由に乗り入れていた市民バス、観光バス、タクシー、産業車、マイカー、オートバイなど排気ガスを流出する、あらゆる車の乗り入れを禁止したのである。それにとって変わったのが、セントロ地区の目抜き通りを走る路面電車である。
ご存知の方もあると思うが、次世代型路面電車システム・LRT[ライト・レール・トランジット]はフランス、ドイツ、そして日本の富山市などで実証されているように、環境に優しく、排気ガスを流出せず、燃料費も格安という利点がある。更に路面からほぼ平行な車両のため、揺れが少なく、高齢者にも利用される電車としてバリアフリー対策の面で
もメリットが大きい“21世紀の乗り物”なのである。
現在、路面電車は線路や諸々の最終チェックに入り、まもなく開通する。いや、開通する見通しである、と言っておこう。すでに赤の縁取りの真っ白い車体がプラド・デ・サンセバスチャンの停車場にスタンバイしているが、未だ開通していない。何しろアスタ・マニャーナ[その内に・・・]の国だから、僕ら市民の目には線路も、配線も完成したように見えるのだが、毎日、毎日,工事関係者があちこちを点検しているのだ。
でもこれだけは生活していて充分に感じる事ができる。
路面電車が走る目抜き通りのコンスティツシオン大通りから排気ガスが消えた!!のである。
僕は毎朝9時頃、フイットネス・クラブ02へ通うため、この道を歩くが、空気が澄んでいて、大きく深呼吸をしながら歩くことが出来る。行き交う通勤客も元気そうに見えるし、街路樹のオレンジの樹も生き生きしている。あらゆる車の乗入れを完全にシャットアウト
した効果が現れたのである。
さあ〜、自転車の話題だ
また脱線してしまったが、さあ〜自転車だ。自転車だ!!
自転車の話題に戻そう。
セビージャ・セントロに一切の車の乗り入れを禁止したセビージャ当局は、その代わりに“CICLISTAS・自転車に乗る人”の奨励に努めている。市内各所、38箇所に新たな“CARRILES-BICI・自転車専用道路”を設けたのだ。
もう、殆どが出来上がり、緑色の専用道路は77キロにも及ぶ。更に人が集まる拠点拠点に自転車置き場を新たに作った。今や、車の乗り入れが出来ないセビージャ・セントロ地区をサラリーマンやOLや学生達が自転車でスイスイと行く風景が数多く見られるようになった。
更にまた、観光客用にも、2000台の新車の自転車を用意して「どうぞ、ご利用ください」と呼びかけている。“no 8 do・市役所の公式マーク”と書かれた後輪の赤いカバーの自転車なので直ぐ目に付く。自転車王国のスペインだからデザインも性能も抜群だ。料金は借用時間にもよるが、1eur〜2eurである。
お勧めコースは何といってもグアダルギビル河沿いのサイクリング・コースだろう。川風が涼しいし、空気が美味しい。疲れたら自転車を置き、川沿いの芝生で一休みも良い。
またトリアナ橋に佇んで、過去セビージヤを訪れた何人もの人が叫んだように「キエン・ノ・ア・ビスト・セビージャ! ノ・ア・ビスト・マラビージャ!・セビージャを見たことがない者はこの世の素晴らしさを見たことが無い奴らだ!」と、ぜひ大声で叫んで欲しい。
今回の最後はセビージャのお風呂だ
さあ〜最後に取って置きのリラクゼーションへご案内!!
“BANOS ARABES・アラブ式お風呂”はとても良いよ。旅の疲れは取れるし、ホテルに戻ってもよく眠れます。
ここはカテドラル大聖堂から5分のフェデェリコ・ルビオ通りにある、いわば公衆浴場で、“セビージャの風”と呼ばれているアラブ風ムードのお風呂である。
中に入ると、熱い湯の風呂、ぬるい湯の風呂、水風呂、サウナ、と別れており、男女混浴で愉しめる。但し水着着用です。勿論アラブ式のマツサージも付いている。このマツサージは快適だ。オリーブ・オイルで全身を隈なく揉み解してくれる。余りにも気持ちがよく何時の間にか眠ってしまう程だ。お風呂全体に御香の香りが漂い、オレンジ色の明かりが幻想的だ。お値段は日本円で2500円位。1時間もいればもう快調、快調。
というわけで、今回の“アンダルシアにおいでよ”はこの辺でお別れしよう。
次回までには、また色々と体験してお届けしますのでご期待ください。
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