| 歯医者に行きました
先日大事件がおきました。食事をしていたら口の中でガチっという音がして何かかたいものを噛んでしまったのです。その音の正体を手にとってみると、なんと銀色の奥歯の詰めものでした。
いつも日本帰国のときに歯の治療をするのですが、詰めものが取れるとは思いもしませんでした。こちらの行きつけの歯医者もないし、歯の治療はかなり高いと聞いて困ってしました。料金が高くてもそれに見合う高度な技術があればいいけれど、それも期待できない。その日から憂鬱な日がはじまりました。
知り合いに尋ねたり、電話帳で調べたりいろいろなところに電話をしたけれど、私の日本語アクセントのスペイン語を聞いて高い料金を吹っかけてくるのがちょっとくやしい。結局広場の近くの歯医者に直接乗り込んで話すと、電話で話したときの半額になりました(できるだけみすぼらしい格好をして、金持ち日本人とは間違えられないようにしようと努めたのも効果があったのか)。医療にははっきりとした固定料金はないのかもしれませんが、これほど柔軟な料金設定にはこちらも驚きでした。
どことなく古ぼけた感じの診察室に入ると女医さんが迎えてくれたのですが、お話が好きで私を治療用のいすに寝かせたまま世間話をし続け、ちょっと音楽がやぼったいわと助手に伝えてノリノリのサルサ音楽に。もう診察がはじまるだろうと思えば、今度は電気屋さんが訪問。待合室にあった白黒テレビの修理を頼んでいたようで、私を残して診療所を出て行ってしまう始末。
「ごめんなさいね」と帰ってくると、やっと図太いホースを私の口に入れて治療開始。このホースは唾液を吸い取るものだけれど、ガーっという騒音を立てるばかりで何も吸ってくれなくて重かった。そして今度は電話が鳴る。おしゃべり女医さんは私を忘れて笑いながら長話。もう口のホースは重いし、いつはじまるか分からない治療は本当にその日じゅうに終わるのかと心配になってしまった。
結局、女医さんは取れた銀の詰めものをアルコールでちょちょっと消毒し、それを接着剤でもとの位置に戻しただけだった。本の数分で終わってしまった治療だけれど、私は診療所に一時間も監禁状態だった。これからはきちんと歯磨きをして虫歯を増やさないようにしなくては。
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