Vol.26
文・写真/すずきともこ

グッバーイボーイ、あらあら本当に首切りグッバーイ?

 マチュピチュに行ったことのある方でしたらご存知、あのグッバーイボーイこと、チャスキーボーイ。インカの飛脚(チャスキー)の民族衣装を着た少年が山の上からバスと競争して麓まで駆け下りる。途中、「グッバ―イ」と言いながら駆け下りるので、ガイドブックにもグッバーイボーイと紹介されている(彼らはバスにも負けず走りぬき、最後にバスへ乗り込んでチップなんかをちょうだいしていた)。

 そのマチュピチュ名物の少年たちがいつの間にか消えたのだ。地元小学校の先生に聞いてみると、正式には今年の1月から禁止になったということ。理由はこの役をかっていた少年たちが学校をサボるようになって、勉学に支障がでるようになってきたから。チャスキーボーイは最少年齢6歳から12歳の引退までということで、名目上は小学校の授業が終わってから出勤、ちょうど午後のマチュピチュ観光が終わった頃に現れて観光客に愛嬌を振りまいていた。

 けれど1月から町長さんが替わり、勉学に励めと禁止令を出した。ペルーも全国的に不景気だと言われているけれど、ここ南米一の観光地のマチュピチュ遺跡の名物少年たちにもその影響が及んだようだ。

 職を失ったチャスキーボーイはときどき以前のように山道に現れる。けれど禁止令を守ってバスの運転手さんたちは知らんぷり。チャスキーボーイは観光客たちのアイドルだったし、ガイドブックに載っているこの少年たちを見ようと楽しみにしている観光客もいる。

 そんなチャスキーが走らせてもらえずに、山道にぽつんと立ってバスをながめているのはちょっと可愛そうな気もするけれど、ここはインカの末裔の根性を見せる格好の場だ。クラスで一番優秀な生徒になって、禁止した町長さんや担任の先生をみかえしてやるんだ!そうすれば絶対チャスキーボーイの職は復活するのだから。