Vol.25
文・写真/すずきともこ

炊き込みキノコ御飯は一苦労

 こちらは今、キノコの季節になりました。市場へ行くと民族衣装をきたおばさんたちが地べたに座って、大風呂敷を広げ、そこにキノコを山盛りにして売っています。なめこのような黄土色の小さなキノコです。

 1年に1回、この時期になると出てくる。今が旬。手の平いっぱいの少量のキノコが、なんと私の2回分の昼食代と同じ(でも150円)!クスコではキノコはあまり取れなくてとても高価な産物なのです。けれどキノコ類の大好きな私は涙をのんで、思わす買ってしまいました。大事に料理しなくてはと、2日分に分けて使うことにしました。

 1日目はショウガとニンニクのキノコお肉炒め。そして2日目はキノコの炊き込み御飯です。家に帰ってから、キノコの選別。まあ、日本のスーパーで売っているような商品とは違うので、キノコの大掃除からはじまります。まずはキノコの傘や柄に頑固に着いている土おとし。でもキノコは小さいのでなかなか大変。それも生キノコなのでサクサク、パリパリ壊れます。

 けれど丹念に洗わないと傘の中にミクロのナメクジが潜んでいることもあり、うっかりそのままにすればナメクジご飯になりかねない(まあそれもたんぱく質と味わえばいいんですがね)。そんなことで何度も洗っていたら壊れたキノコも流れてしまって、買ったときよりさらに少量になってしまいました。

 私の手には土とキノコとナメクジの匂いがしっかりこびりついてしまったけれど、柄には緑の苔までついていて、キノコがどんな環境で生育していたのか分って勉強になりました。日本では、日常生活でこんなに苦労してキノコを食べることはないでしょう。つまよう枝の頭大の微小キノコまで爪の先できちんと洗いましたからね(だって昼食2回分もかけて買ったんだもん!)。

 そうそう、近頃便利な日本では、中国で全て骨を抜いて逆輸入する、姿まるまる一匹の魚なんかもあるそうですね。それはちょっとこのペルーでは流行らなそうだけれど、洗ってきれいになったキノコが市場で買えるようになれば、今年中にまたおいしいキノコを買いに行くのになあと思いました。