Vol.20
文・写真/すずきともこ

クスコで薬を買うときは

 近頃、日本でもお正月ぼけや日々の激しい寒暖の差で風邪が流行っているようです。

 クスコも風邪には要注意!ある筋によると、一日に16度以上の気温の差があると風邪を引きやすくなるそう。標高3400メートルのクスコでは朝晩は真冬のように寒く、真昼は太陽のすぐ近くなので焼けるように直射日光を浴び、暑くなります。

 そこで風邪を引いてしまうともう大変。なかなか治すことはできません。例えば私の家のようなごく普通の一般家庭には暖房はないし、ゆがんだ家の窓や玄関の戸からは隙間風が随時スースーと入ってくるので、お昼に治りかけた風邪もすぐぶり返します。

 そこでアンデスの薬草を飲んで体を温めるのですが、どうしても早く治して仕事に出なければならないときには、私も市販の風邪薬を買いに薬局まで走ります。

 「風邪薬ください」と言ったあと、かならず聞かれるのは「何錠?」。そう、クスコでは薬は1粒ずつ売られているのです。日本感覚で現地の薬を買えば高額でないかもしれませんが、やはり現地の人々にとっては一粒でも高価です。

 「1粒が50円もするなら買わない方がいいかな」とか、「お医者さんには3日分飲めと言われたけれど1日分だけ買うことにしよう」となるのです。ですから、1箱丸ごとなんて市民には手がでない。結局、粒売りになるわけです。

 「風邪薬を3錠ください」と答えれば、白衣の売り子さんは市販の薬の箱を開けてハサミで上手に3錠分だけアルミのシートについた薬を切り離してくれます。きちんとアルミシートの角まで丸く切り落として刺さらないようにと気を遣ってくれます。

 また、市販のビンに入った錠剤も1粒ずつ出して売ったりすることも。ただ、液体の飲み薬の分け売りと、チューブのクリーム状塗り薬の分け売りはまだ見たことがありませんが…。

 薬にも食べ物と同じように消費期限があります。日本のように箱売りをしている国では、薬を使い終わらず残したままにしておくこともあるでしょう。それを何年もしてから使ったりしていませんか?(私が日本に住んでいたときにはそういうことがありました)。

 とにかくこのクスコ式薬の粒売りは無駄もなく、いつもフレッシュな薬も買えて合理的なシステムなのです。

((お知らせ))
すずきともこさんが講師を務める講習会が行われます。ぜひご参加ください。
●「アンデス、クスコの魅力とマヌー国立公園のエコツアー」
主催:ペルー大使館、日本ペルー協会
日時:1月30日18時から20時半頃まで
会場:国際協力事業団国際協力総合研究所 2階202AB会議室
   東京都新宿区市ヶ谷本村町10-5
電話:03-3269-2911
最寄駅:JR総武線「市ヶ谷」駅
入場料:無料
定員:60名
お申し込み:電話03-3595-5365まで連絡