Vol.19
文・写真/すずきともこ

クスコの大晦日とお正月

 大掃除をしなくてもいいクスコの大晦日は、日本ほどあわただしいものではないような気がしますが、じつは買い物で大忙しです。

 年末になるとクスコの町は黄色一色になります。これは大晦日に履くための黄色い下着の陳列。露天やお店では男性用女性用の黄色いパンツを恥ずかしさのかけらもなく、並べ吊るして売り出すのです。

 どこをかくしているのかわからないようなティーバックから、おへそもおしりもたっぷり包んでくれるデカデカパンツ。リボンつきのお嬢様タイプ、メッシュがセクシーな悪女タイプ、お尻部分に巨大なパットが二つ取り付けてあるヒップ増大効果のパンツなど。

 あまりの派手さにはじめは目を覆ってしまいそうですが、慣れればこれを値引きして大量に買ってしまったりするのです。私も毎年、友達や家族のプレゼントに買いあさります(日本の家族にはあまりウケなかったけれど)。これをはくと新年、幸せになれるなどと言われます。

 また新年への変わり目を迎えるとき、クスコの人々はシャンパンで乾杯しながら、自分の年齢の数だけ葡萄を食べます。それが終わるとパネトン(クリスマスケーキとして食べるが、新年も食べる)というケーキとホットチョコレートを飲みます。この習慣はクリスマスの習慣ですが、きっとクスコの人はあまりにこのケーキと飲み物が大好きなので、いい機会だと新年を祝うときにも食べてしまうのでしょう(と私は思っている)。

 12時近くなると、どこの家庭でもラジオに耳をすませてカウントダウンします。基本的にはみな家族で新年を迎えるのですが、家族のいない人や観光客などは広場やバーなどに繰り出し、カウントダウンが始まるまで道端に出た露天でポンチェ(ソラマメの粉でできた甘いホットドリンク)を飲んで体を温めます。

 そして12時になると、「フェリース アーニョ ヌエボ!(明けましておめでとう)」と言って、みんなで抱き合います。部屋の中で手持ち花火をつけてパチパチと楽しむこともあります(それも花火を上に向けて振り回しながら…)。

 この時期クスコに行く場合は、やはり地元の人と過ごすのが楽しいですね。