Vol.17
文・写真/すずきともこ

雨期はウキウキ

 クスコもジャングル地方も雨期がはじまりました。雨期というとウキウキになる人たちがいます。ペルーの北部に住む(前回紹介したサンマルティン県)私のお友達の先住民がそうなんです。

 そうそう、理由は虫なんです。この時期になるとママコという大きなアリが巣穴から飛び出して来るんです。そのまるまる太ったアリをラードで炒って食べるとこれが格別!アリの口ははさみのようになっているので、そこと、パリパリになった足は食べないんですけれど、黒く丸い胸部と腹部は噛むと甘いエキスがぷちゅっと出てきておいしいったらありゃしない。バターとチーズを合わせた濃厚さを薄味の昆虫風味に仕立てた味かしら??? 

 やっぱり食べてみないと伝わりにくいこの珍味!このアリは9月下旬頃から11月いっぱいくらいまでの雨期で、激しい雷雨の後の晴天の日に飛び立つのです。だから晴れた日になると、村人はみんなニコニコ顔でふたのついた小さなバケツを片手に、山の巣穴へと朝から走っていくのです。

 それから、雨が降るとカタツムリもたくさん出てくる。この地域のカタツムリは日本のに比べるとかなり大きいです。殻は楕円形で大きいものは縦の長さが20センチくらい。私の手の平に置いたら、カタツムリの足があふれちゃうほどです。

 小さいものだって、殻だけでも長さが8センチはあります。これは、落ち葉の下の土の上を歩くカタツムリ。緑の水みずしい葉の上で見ることはありません。私も庭さきで見つけたことがあったので、食べてみました。なんだか土の上のカタツムリを食べるのは抵抗があったけれど、先住民のみんながとにかくおいしいというので食べてみました。ちょちょっと水で洗って土を落とし、20分ほどお湯で煮て出来上がり。なんとも簡単な調理です。

 殻を振るとつるんと中身が出てきて、それに塩をつけて食べました。耳の渦巻き管のような外観はあまりよくないけれど、さっぱりしていて臭みがなく、これもイケルのでした。食欲の雨期。もう雨期はウキウキです。