Vol.13
文・写真/すずきともこ

歴史都市のたたずまいを楽しむ、おしゃれな野外カフェ

 アンデスの真っ青な空。澄み切った肌寒い空気に朝日が差し込む。日曜日のさわやかな朝。スペイン植民地時代の荘厳な教会が立ち並ぶクスコの中心街、中央広場は世界遺産文化都市の美しいたたずまいが楽しめるのだ。

 インカ帝国とスペイン植民地文化とその深い歴史がにじみ出る素晴らしい風景を満喫してもらおうと、近頃日曜日に限り、中央広場の周りの車の通行を禁止するようになった。

 すると、誰がはじめたのか、広場の周りの石畳の回廊に野外カフェが軒を連ねるようになった。今でもアンデス農民が民族衣装を着て町を歩く土くささが感じられる中央広場だったが、毎週日曜日は西洋的でおしゃれな野外カフェに早変わり。これがクスコを訪れる人々にうけている。

 車道が開放されて歩行者天国になるのは、朝からお昼過ぎまでの半日だけ。夕方前には再び車が走り出す。野外カフェを設置できるのは、おおよそ半日というところだ。

 また、車道にはいすやテーブルをならべてはいけないから、野外カフェといってもアーケードのような日陰になった屋根の下につくられる。標高3400メートルのクスコの町の日陰はじっと座っていると冷えるけれど、そんなときは熱いコーヒーやお茶で体を温めるのが一番。ちょっと座って温かい飲みものを飲んでみようかな、という気になってしまうのが不思議。

 カラフルなパラソルを並べるカフェ。豪華なテーブルクロスで飾り、きれいに正装したウエーターが働くカフェ。外国製のエスプレッソコーヒーメーカーを取り入れたカフェなど、優雅な気分でくつろげる空間をつくり、清潔感や高級感をだそうとそれぞれの新設カフェはいろいろな知恵を絞っている。

 「コーヒー、お茶はどうですか?」とウエーターが微笑みながら道ゆく人々に声をかける。日曜日の朝、建物の一階にある喫茶店は、チャンスとばかり店の前に野外カフェを設置し、二階にある喫茶店はご自慢の由緒あるコロニアル風木製のバルコニーにテーブルをセットする。

 標高の高いクスコの町で、日当たりのよいバルコニーカフェを選ぶか、日曜日限定の野外カフェを選ぶかは気分しだい。一日中、時間のとまったようなのんびりしたクスコでは、日記を書いたり読書をしたり、ただ町のようすを眺めていたりと、いくつもの野外カフェをはしごしても、リラックスした時間を楽しむことができるのだ。みなさんもクスコでお茶しませんか。