見てきたようなウソをつき por 微笑問題
ars gratis ars
   古屋雄一郎
Vol.9
もうひとつの 9・11


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最近カタルーニャをめぐってスペインが揺れているね。州議会ジェネラリタットが自治権の拡大を主張して提出した新州法が国会で可決。地方政府は独立色を強めているんだけど、今年はフランコ没後三十年なんだよね。地方自治と国家の問題がいろいろと議論されている。国家と民族の関係という意味では日本の靖国問題と似ている面もあるね。

それだったら俺の故郷のバスクが負けないぜ。

お前いつからバスク人になったんだよ!

マイテ・サイトゥット…

何だよ?

バスク語で「愛してる…」。

俺に言うなよ!気持悪いよ!話を戻すけど、カタルーニャの町を歩いていると、時々「9月11日」がついた通りや広場を見かけるね。

アルカーイダを讃えてるんだね。

なわけねえだろ!9月11日といってもアメリカ同時多発テロじゃなくて、それよりずっと昔の 1714年9月11日。

あ、その話はちょっと…。

どうしたんだよ?

思い出したくないことがあって…。

思い出したくないって、お前、生まれてさえいないだろ!折りしもスペインのハプスブルグ家が断絶。覇権争いでフランスやイギリス、オランダ、オーストリアが戦争した、いわゆるスペイン継承戦争だね。マドリードはブルボン家に従ったんだけどカタルーニャはハプスブルグ家について最後まで抵抗した。でもこの日バルセローナが陷落、今のブルボン王朝スペインが始まった。

つまりカタルーニャの人にとって、9月11日は民族団結を記念する、象徴的な日ってわけか。

そうだね。

ナショナリストたちが声高に叫びそうだな。

実際叫んでるんだよ。でもそれだけじゃないんだ。これが「もうひとつの9月11日」だとすると、南米チリにも「もうひとつの9月11日」があるんだ。

そんなにあったら9月のカレンダー、31日じゃ足りないな。

どういう理屈だよ!チリでは1973年9月11日にクーデターが勃発した。ピノチェト将軍がアジェンデを殺害し、軍事独裁政を敷いた。ちょうど今ピノチェトは当時行の数々の犯罪を「人道に反する罪」で法廷で裁かれているところなんだ。

それにしても、すごい一致だな。

偶然とは思えないくらいだね。カタルーニャとチリとアメリカで奇しくも同じ日に大事件が起きた。

木の実ナナさんのメルアド知らない?

どうして?

泉ピン子さんのはいいから?

何の話だよ?

9月11日が誕生日なんだよ。教えておくよ、気をつけてねって。

全く無関係だよ。でも何で泉ピン子さんはいいんだよ?

だって“渡る世間は鬼ばかり”だぜ?事件の方が怖がって逃げるよ。

いい加減にしろ。