見てきたようなウソをつき por 微笑問題
ars gratis ars
   古屋雄一郎
Vol.52
バルは全部でいくつある?

A : スペイン人の暮らしと切っても切れないものと言えば、何と言ってもバル(bar)だね。
B : 多いよな。どの通りにも最低一軒はあるって言われてるし。もう石を投げればバルに当たるって感じで。
A :

本当にね。

B : でも俺がトレドで石投げたら陶器屋に当たったけどね。
A : 本当に投げるなよ!
B : サラマンカではガラス屋に当たってガラス板が粉々になっちゃって。マドリードでは王宮の衛兵の顔面に当たっちゃって。
A : お前、行く先々で何やってるんだよ!石を投げたらっていうのはたとえ話だよ。
B : あんまり生活に密着してるから、有名人はたいてい名前に「バル」がついてるもんな。ペドロ・アルモド“バル”とかアレハンドロ・アメナー“バル”とか。
A : ただの偶然だ!
B : しかし、実際どこにでもあるよな、バルって。どのくらいあるのかな。
A : これは統計があってね。スペイン飲食店協会(FEHR)が2006年の調査を発表しているんだけど、それによると、バルまたはカフェと呼ばれる店は全国で24万7338軒ある。いちばん多いのはアンダルシア州で36,347軒。二位がマドリード州で36,102軒、三位はバレンシア州で33,020軒、四位がカタルーニャ州で25,157軒。このあたりはどこも大都市があるから納得だね。逆にいちばん少ないのはナバーラ州で2,002軒。
B :

全国でだいたい25万軒くらいって、それ多いのかよ、少ないのかよ!どっちなんだよ!はっきりしろよ!

A : 叫ぶな!多いか少ないかはどこかと比較しないとわからないね。じゃあスペインと同じくバルやカフェが盛んなイタリアと比較すると、イタリアでバルやカフェと名のつく店は15万5609軒ある。約370人に対して一軒の計算だ。
B : イタリア人の統計は信用できないけどな。
A : なんでだよ!
B : 通りかかる女ならどんなブスでも「かわいいね」って声かけるだろ。
A : お前の偏見だよ、それは!しかも統計と何の関係もないだろ!で、スペインは約175人に対して一軒あるんだ。
B :

なるほどな。スペインの方が断然多いわけだ。でも、スターバックスとかも進出してるだろ。

A : そうなんだ。マドリードに43軒、バルセロナに18軒、セビーリャに7軒、バレンシアに3軒出店してる。
B : 競争が激しいだろうな。
A : そうみたいだね。バルやカフェは1970年には10万9597軒だったのが、1980年は13万6810軒、1990年は18万5117軒とグングン増えた。ところが2000年以降は毎年24万軒台でほとんど横ばいなんだ。
B : 俺は伝統的なスタイルが好きだから、やっぱり昔ながらのバルに通うけどね。
A : 風情もあるし、町の人との情報交換にも役立つしね。
B : その土地の人とのコミュニケーションが楽しいからな。
A : そうそう。
B : 「この辺にスターバックスありませんか」って気楽に聞けるし。
A : 言ってることがメチャクチャだ!