| A : |
11月21日、スペインを代表する俳優のフェルナンド・フェルナン=ゴメスが亡くなったね。86歳だった。
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| B : |
最近だとホセ・ルイス・クエルダ監督の映画『蝶の舌』で演じた小学校の先生役が印象的でね。 |
| A : |
ラストシーンは衝撃的だったね。
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| B : |
主人公モンチョが先生に石を投げながら叫ぶシーンな。「でもそんなの関係ねぇ!」って。 |
| A : |
小島よしおのギャグだろ、それは! |
| B : |
流行語大賞とったから、記念にと思って。 |
| A : |
いいんだよ、そんな記念は。その前にもアルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』でペネロペ・クルスのお父さん役をやったね。ボケ老人だった。 |
| B : |
公園で犬を連れて散歩するシーンだな。ロケ地はバルセロナのメディナセリ広場。俺たちの作者がおととしこの広場に行ったら、やっぱり犬を連れて歩いてたんだって。 |
| A : |
ウソつけ!作者が行ったのは本当だけど。 |
| B : |
俳優として有名だけど、優れた映画監督でもあって、劇作家としても有名で。 |
| A : |
いわゆるマルチタレントだね。 |
| B : |
それだけじゃなくて、小説家にエッセイスト、詩人、舞台演出家、シナリオ作家、王立言語アカデミー会員、闘牛士、ボクサー、八百屋、竿竹売り、銀行強盗…。 |
| A : |
王立言語アカデミー会員までは本当だけど、闘牛士以下はぜんぶデタラメだ! |
| B : |
でも日本では俳優としてしか知られてないな。 |
| A : |
古いところだとビクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』のお父さんとかね。でも実は劇作家としての仕事も紹介されてるんだ。スペイン内戦を舞台にした代表作『自転車は夏のために』。スペインではガビーノ・ディエゴ主演で映画化されたんだけど、1993年7月に劇団青年座が上演した。俺たちの作者が翻訳したんだ。 |
| B : |
たしか『三輪車は春のために』の続編だってね。 |
| A : |
そんな作品はねえよ!マドリードの中流家庭の話で、主人公の少年は自転車が欲しい。友だちがみんな持ってるから。お父さんは「試験に合格したら夏休みに買ってやる」って約束するんだけど、その夏に内戦が勃発するんだ。自転車は手に入らない。お父さんと少年は瓦礫の上に立って、「来年の夏は自転車が買えるかなあ」って。切ないドラマなんだ。 |
| B : |
中国製ならいくらでも安いのあるのに…。 |
| A : |
それは今の日本の話だろ! |
| B : |
しかし、『蝶の舌』も『ミツバチのささやき』も内戦の話だろ。フェルナンド・フェルナン=ゴメスは内戦がトラウマになっているのかもな。 |
| A : |
やっぱり、なんだかんだいって、現代スペインの悲劇だからね。でもフェルナン=ゴメスのいいところは、映画にしろ芝居にしろ、暗くなりがちな話を極上のユーモアで包むところなんだ。 |
| B : |
結局、人間を救うのはユーモアなんだよ。 |
| A : |
急にマジメな話だな。 |
| B : |
ユーモアのないやつは生きる価値なし。死刑。 |
| A : |
救いようがないのはお前だ! |