見てきたようなウソをつき por 微笑問題
ars gratis ars
   古屋雄一郎
Vol.38
ボルベール<帰郷>

A : アルモドバル監督の最新作『ボルベール〈帰郷〉』が全国で順次公開中だけど、観た?
B : 観たけど、ブルース・ウィリスは超人になりすぎだしダニエル・ラドクリフ君はすっかり大きくなっちゃってさ、何かちょっと違うかなって。
A : お前が観たのは『ダイ・ハード4.0』と『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』だろ!しかもごっちゃになってるよ!
B : マドリードとアルマグロでロケしたんだよね。
A :

知ってるならボケるな!アルマグロはシウダー・レアルのすぐ東にある小さな町でね。

B : アルマグロだけにマグロ漁が盛んらしいな。
A : ダジャレかよ!海はねえよ、ラ・マンチャ地方なんだから!映画には写っていないけど、観光スポットとして有名なのがプラサ・マヨール、そしてこの広場にあるコラール・デ・コメディアスっていう野外劇場。17世紀当時のまま保存されていて、毎年7月には国際古典演劇祭が開かれるんだ。シェイクスピアとか、スペインだとセルバンテスとかロペ・デ・ベガとかカルデロンとか。
B : 演劇といえばさ、アルモドバルって、『オール・アバウト・マイ・マザー』は舞台女優の話だっただろ?演出家のリュイス・パスクアル本人が登場したりして。『トーク・トゥ・ハー』でも演劇っぽいダンスがオープニングとラストにあったし。
A : ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団の『カフェ・ミュラー』だね。
B : 演劇にも興味あるのかな?
A : かなり昔のインタビューだけど、「いつか舞台の演出もしてみたい」って言ってたことはあるみたいだよ。まあ、それっきりだから、どこまで本気なのかはわからないけど。
B : ペネロペ・クルスの熱演が話題だけど、カルメン・マウラが18年ぶりにアルモドバル映画に出演したのもファンとしては嬉しいな。
A : しかしすごく老けてびっくりしたね。
B :

そういう役だからだろ?

A : 確かにそうなんだけど、1945年生まれだから今年で62歳。
B : 森光子なんか87歳だぜ?
A : 全然関係ないだろ!
B : 年齢で思い出したけど、ペネロペ・クルス扮する母には15歳の娘がいて、ヨアナ・コボっていう女優が演じてるんだけど、ペネロペは1974年生まれでヨアナは1985年生まれなんだよ。
A : だから何だよ?
B :

11歳しか離れてないんだぞ?どんな親子だよ!

A : 実際の年齢はどうでもいいだろ!ヨアナ・コボといえば、パンフレットやオフィシャルサイトではなぜか「ヨアンナ・コバ」って書いてあるんだよね。うっかりミスだと思うけど。
B : 監督の名前は「ペドロ&カプリシャス」だし。
A : なってねえよ!
B :

これから観る人はカルメン・マウラの空中ブランコを楽しんで欲しいね。

A : そんなシーンはねえよ!