見てきたようなウソをつき por 微笑問題
ars gratis ars
   古屋雄一郎
Vol.36
ゲルニカ空襲70周年

A : ゲルニカといえば何と言ってもピカソの絵が有名だね。
B : 歯磨きみたいな名前だよな。
A : それはクリニカだろ!ゲルニカはビルバオの東にある町で、今からちょうど七十年前の1937年4月26日、ドイツ軍の激しい空襲を受けた。
B : 空襲か。思い出すよ。防空壕に避難した、あの夏の日。
A :

昭和40年生まれのお前に空襲の思い出なんかあるわけないだろ!ゲルニカ爆撃が歴史に名を刻んだのは、軍事基地だけじゃなく一般市民への無差別爆撃のさきがけとみなされているからなんだよ。

B : それってテロじゃないの?
A : そういう見解もある。もともとの空襲目標はビルバオだったんだけど、黒煙や粉塵で目視できず、標的がゲルニカに変わった。ゲルニカには武器工場があったんだけど、なぜか無傷で残ったんだ。その代わり市街地が廃墟となった。
B : ひどい話だな。
A : まったくだよね。
B : 白雪姫と呼ばれたアイドルから醜いおばさんになった天知真理くらい、ひどいな。
A : どんな例えだよ!何の関係もないだろ!
B : で、ピカソが絵を描いたんだ。
A : そう。1937年のパリ万博スペイン館の入口ホールに描かれた壁画だったんだ。その向かい側の壁にはロルカの大きな写真が掲げられた。内戦の犠牲者の代表として。
B :

ということは、スペイン館は反戦がテーマだったのかな?

A : うん。内戦の惨事を世界にアピールすると同時に、共和国政府を支持するのがスペイン館の狙いだった。スペイン館を企画した建築家や詩人がパリ在住のピカソを訪ねて壁画の依頼をしたんだ。ピカソは共和国政府を支持していたから一も二もなく引き受けた。
B : 四の五の言ってないで受けたわけだ。
A : そうだよ。
B : …でも六と七はうるさかったらしいね。
A : 言ってる意味が全然わかんねえよ!ピカソの「ゲルニカ」と内戦、パリ万博のことなんかについては、荒井信一『ゲルニカ物語―ピカソと現代史―』(岩波新書)が読みやすくてわかりやすいからお勧めだね。
B :

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A : そんな宣伝はいいんだよ!