| A : |
東京都美術館で「プラド美術館展」が始まったね。 |
| B : |
もう一ヶ月くらい経つんじゃない? |
| A : |
始まったのが3月25日からだから、そうだね。6月30日までやってる。東京のあとは大阪市立美術館で7月15日から三ヶ月開かれる。今回はティツィアーノやベラスケス、ルーベンス、ゴヤなど81点が展示されていて、もちろんどれも傑作ばかり。 |
| B : |
プラド美術館って世界三大美術館の一つだろ? |
| A : |
そう。 |
| B : |
ほかの二つはどこだっけ?いわさきちひろ美術館と長谷川町子美術館? |
| A : |
何でだよ!どっちも日本だし、日本のなかでも小さい方だろ!世界三大美術館は選び方によって何通りかあってね。巨大さでいえばパリのルーヴル美術館とニューヨークのメトロポリタン美術館、それとロンドンの大英博物館なんだけど、サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館も二百五十万点と膨大な所蔵数を誇っている。プラド美術館は所蔵数が六千点で実はかなり少ない方なんだけど、内容の重要性からみて三大美術館に数えられることがある。 |
| B : |
六千点と二百五十万点じゃずいぶん差があるな。 |
| A : |
もっとすごいのはメトロポリタン美術館で、なんと三百三十万点ある。 |
| B : |
そんなにあるんなら、一枚くらいオレの絵が混じっててもバレないかもな。 |
| A : |
バレバレだろ! |
| B : |
でもマドリードのプラド美術館だって、全部見ようと思ったら相当時間かかるんだろ? |
| A : |
そうだね。隅から隅までじっくり見ようと思ったら一日でも足りないかも知れない。でも、プラド美術館を三時間で見るガイドブックがあるんだ。 |
| B : |
三時間? |
| A : |
うん。『プラド美術館の三時間』っていう本で、ちくま学芸文庫に入ってる。著者は美術史家のエウヘニオ・ドールス。三時間で回れるように、どの画家のどの作品に注目したらいいか、どんな順番で見たらいいか、解説してるんだ。 |
| B : |
ずいぶん親切だな。 |
| A : |
まずエル・グレコから始まってゴヤの『十字架上のキリスト』『五月三日の処刑』、それからベラスケスの『織女たち』『槍(ブレダ開城)』『女官たち』。フラ・アンジェリコの『受胎告知』やボッシュの想像力がほとばしった『聖アントニウスの誘惑』。そして今回の展覧会にも来てるスルバラン、ムリーリョ、リベラと続いて、しめくくりはルーベンス。 |
| B : |
作品の解説もあるんだな? |
| A : |
もちろん。たとえばエル・グレコがいかに今日的かとか、ベラスケスは「古典主義とロマン主義の中間に位置する純粋なレアリスム」だとか。 |
| B : |
なんか難かしそうだな。 |
| A : |
でも、とっても内容が充実していて、おすすめだよ。 |
| B : |
オレの絵は「妄想とユーモアの臨界点」なんだけどね。 |
| A : |
お前の絵はどうでもいいよ! |