見てきたようなウソをつき por 微笑問題
ars gratis ars
   古屋雄一郎
Vol.17
セマナ・サンタ


A : スペインの春の行事といえば聖週間、セマナ・サンタだね。

B : ああ、あれな。セビーリャが有名だよな。

A : そうだね。パソという山車が町を練り歩いて。

B : こっちだとゴールデン・ウィークみたいなものか。

A : まあ確かに一年でいちばん大事な連休だし、どっちも時期が春ってことでは似てるけど。でも由来がちがう。

B : ちょっとくらいちがっててもいいから。オレ的にはぜんぜんオッケーだから。

A : お前の都合はどうでもいいんだよ!セマナ・サンタはイエス・キリストの復活を祝う宗教行事。これは誰でも知ってるよね。

B : え?

A : まさか知らないわけじゃないよな。

B : イエスって復活したの?

A : それを知らないのかよ!

B : それって奇蹟じゃん。

A : そうだよ!だからキリスト教が生まれたんだろ!十字架にはりつけにされて絶命したんだけどその三日後に復活したって…こんな初歩的な説明させるなよ。

B : 復活って…寝てただけじゃないの?

A : お前信者に殺されるぞ!で、ゴールデン・ウィークだけど、これは日本の映画業界が考え出した。この時期は映画に行く人が多いからね。

B : それにしてもわかりにくいんだよな、セマナ・サンタって。毎年時期が変わるだろ?

A : そうなんだよね。どうして変わるかというと、復活祭の日の決め方がちょっと複雑だからなんだ。

B : もったいぶらないで教えろよ。

A : 別にもったいぶってねえよ!復活祭は、春分の後の最初の満月の次の日曜日。

B : 面倒だな。

A : 順を追って説明すると、まず今年の春分の日は 3月21日。その後の最初の満月は4月14日の金曜日。だから今年の復活祭はその二日後の日曜日で4月16日。

B : 満月がポイントか。

A : そう。太陽暦では一ヶ月は 30日か31日だけど、昔の太陰暦だと29日か30日だからどうしてもズレが生まれる。だから「去年のセマナ・サンタは三月下旬だったのに今年は四月中旬」なんてことになる。

B : 面倒だから細木数子に頼もうぜ。

A : なんでだよ!

B : あの人ならズバリ決めてくれるだろ。

A : 余計なお世話だよ!