踊り手・大沼由紀を語る


ギタリスト 俵 英三さん

近年フラメンコは時代の流れに沿って、ごく自然にその姿形を変えてきた。他のジャンルの要素を取り入れながらより音楽的に、より舞踊的になり、そしてより国際化してきた。文化の異なる外国人にとっても親しみやすくなってきたようだ。

と同時にフラメンコならではの魅力、いわゆるフラメンコらしさが音楽性や舞踊性に埋もれ、本場から離れた外国では特に軽視される傾向がみられる。フラメンコのエッセンスはカンテ・ホンド、殊にカンテ・ヒターノの中に凝縮されている。その奥深い魔性を帯びた魅力を誠実に追求する姿を舞踊家、大沼由紀さんに見た。

彼女の初リサイタル「自然発生的な…」は、唄と踊りとギター、という最もシンプルなスタイルでフラメンコが如何に多くのことを語るか、ということの証明だったと僕は思う。「カンテを踊る」彼女のバイレは、本場ヘレスのプーロ達を充分に納得させた。



シェリー屋ベネンシア店主 内藤武城さん

10年前に大沼由紀さんがヘレスより帰国され有志何人かでブレリアを習う事となり、ド素人承認の上で参加させていただく事となりました。仕事柄 Jerez de la Fronteraにはたびたび行くのですが、街角やCafeなどでパルマやハレオでブレリア遊びに興じている親爺がカッコ良く、何時かあの輪の中に入ってみたいしできそうな気がしたからです。

しかしレッスンは想像以上に凄惨を極め、元来熊系の自分が踊る様は森の熊さんが森で迷ったようで、由紀ちゃんは皆に調教師と呼ばれていました。しかし、辞めようにも最早ブレリアに深く魅了されている自分を知る事があり、行けるとこまで行く決心がつきました。

いい所でジャマーダを切るのは爽快です!是非男の方も小さな覚悟を持って挑戦してみてください。  VAMOS!



大沼由紀フラメンコスタジオ生徒 小林純子さん

音楽を感じ、踊る―大沼先生の踊りを観る度、「踊る」ということはとても自然な行為であると感じさせられます。しかし、先生のレッスンを受け、自然に見える動きを表現することが一番難しいと気付きました。自分の身体の隅々まで自覚して動かし、その1つ1つの動きやそれらをつなぐ目に見えない部分にその人独自の感性が表現できて、初めて実現できるのです。

大沼先生は、音楽(カンテ・ギター・コンパス)といかに一体となるか、そして、身体でどのように表現するかを、丁寧にわかりやすく、こだわりをもって教えてくれます。いつか、自分の中に湧き出るものを自然に踊れるようになることを目指して、これからも練習に励んでいきたいと思います。



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