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先日、西日暮里アルハンブラでの僕のライブに、スペイン滞在時からの友人であり、尊敬するフラメンカでもある高橋英子さんが、来日中のマティ・ゴメスと友人を連れて来てくれた。店の人は気を利かせたつもりか、舞台最前列のテーブルに彼女たちを案内した。
いやー、楽しかった!
というのも、僕の曲に合わせて彼女たちが、凄いパルマを打ってくるのである。「どうせ叩くなら、こっちに来て一緒に遊んでよ!」と思いつつ、舞台の上の僕らはその見事なコンパスに嬉しい笑いが止まらない。彼女達のあの乾いた音とノリは、抜群に格好いい!素晴らしい!
「オーレ!」
最後の頃には、彼女達に向かって感謝のハレオを掛けていた僕でありました。いやはや。
ところで「パルマの悩み」というのがある。
僕はパルマを打つのが怖い。下手をすると綺麗に流れているコンパスをぶち壊しにしてしまう。親しい友人達と飲んだり遊んでいる時なら好き勝手にパコパコ(?)叩く。もちろんパルマを叩くのは楽しいから。
日本のスペインレストランや、一般の人達を相手に活動している人達に良くある不満。
「お客さんが喜んでくれるのは嬉しいけど、パルマを叩かれると舞台が滅茶苦茶になるから止めて欲しい」
人によっては客に向かって「そこのあなた!」と指さして怒っちゃったりする。「フラメンコは面白そうだ」と金を払って見に来た人が、その芸に喜んで一緒に楽しもうとパチパチ手拍子打ったら、舞台の上から睨まれて、シュンとさせられてしまう。その人は思ったかもしれない。
「何で?」
これは難しい。どうしたら良いんでしょう?
フラメンコを観て血が騒いでしまった人は、絶対叩きたくなるはずである。「共感した!」という態度の表現として。例え外していても遅れていても。特に「裏」を入れてみたくなったりする。面白そうだから。ライブ会場が客達の練習場と化す。踊ってる人達も混乱して自分のコンパスを見失ったりする。不機嫌になっちゃった。あーあ。
テレビを見ていると「日本でのパルマ」について考えさせられる出来事が時々ある。
NHK第2放送の子供向け番組の中に、フラメンコ調(スペイン風?)で始まる曲があって、途中にこんな歌詞があった。
「……手拍子はずしても気にするな……」
と、そこからガラリと曲調が変わり「トコトン、トコトン!」と和太鼓の音が軽やかに登場。みんなが輪になって手拍子を打ちながら唄い、踊り始めるのである。この意味深な展開には「日本フラメンコ愛好家によるオリジナル音楽推進委員会」代表若林雅人、会員1名、本人、として誠に考えさせられてしまった。
この曲の作者は日本でフラメンコに接したが故に、何か嫌な思いをしたのではないだろうか?それを不可思議に思って出来た歌詞だとしか思えない。
もう一つ、芸能人「とんねるず」の「皆さんのおかげでした!」という番組でも、興味深い曲がかかっていた。野猿の「太陽の化石」という、確か秋元康+後藤次利の作品だったと記憶している。
その曲は見事であった。ビートの利いたオシャレな歌謡曲ではあるが、どこか「スペイン+アラブ風」なのである。コンピューターで打ち込んだリズムに合わせて、メンバー全員がポーズをきめて手拍子を打ったりしている。演出家が「フラメンコのパルマ」をイメージしているのは間違いない。
何となくアクセントの位置が気になって指を折って数えてみると「1・2・3、1・2・3、1・2」という8拍の繰り返しが聞こえてくる。これには「日本フラメンコ進化変化論協会会長」会員1名、代表若林雅人としてもノックアウトである。そういうリズム構成は考えた事がなかった。さすがに芸能界のヒットメーカー、一流どころは遊びのコツを良く知っている。さり気なく、そして面白くである。
誤解されると困るが、例に挙げた曲が「フラメンコ」だとは決して思わない。しかし、こういう「遊び」の中から、僕らが自然にパルマ、もしくは手拍子を叩ける曲がドンドン出てきたら、状況も少し変わるのかなあ、なんて思ったりする今日この頃です。
皆さんはどう思いますか?

7月17日(木)、アルハンブラ西日暮里店で僕のライブをやります。もちろんパルマも自由に叩いて結構です。舞台の上から睨んだり指さしたりしませんから御安心を!毎回恒例となった女性コーラスユニット、ラス・カナリアス+「UNSCANDAL」のドラマー、ジャッキー天野+ラテンベーシスト藤谷一郎がウッドベースで参加。フラメンコのカンテソロや日本語のオリジナル曲など盛り沢山。アルハンブラ自慢の美味しい料理と共に7月の夜をお楽しみ下さい。ドリンクだけでもO.Kですよ!詳しくはJスパエンターテインメントへ!

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