子どもの頃からずっと宝塚歌劇団に憧れていたんです。祖母が好きで、3歳のときから連れて行ってもらっていました。
その影響で、いつの頃からか、将来は自分も人に夢を与えるような仕事をしたいと思うようになっていました。それが宝塚だったんです。どうしても歌劇団に入りたくて、中学のときからバレエを習い、高校3年のときに受験したんです。親には猛反対されましたけど。
でも、合格しませんでした。結局、大学に入ったのですが、もう自分の将来に何の夢も持てませんでした。
ちょうどそのころ、フラメンコに出会ったんです。当時は読書が唯一の自分への慰めだったのですが、メリメ原作の「カルメン」を読む機会があって。偶然にも同時期に、宝塚で「カルメン」を上演していたこともあり、それがきっかけでスペイン、フラメンコに興味を持つようになりました。それで、自分でもやってみようと思って。
フラメンコとの出会いのきっかけはメリメの「カルメン」
始めはカルチャースクールに通いました。半年ほど経った頃、どうしても本場のフラメンコを見たくなってスペイン旅行し、たくさんのフラメンコを見ました。
もう、あまりの凄さにびっくり!「私にはとてもこんな踊りできない」って。でも、同時に「その人にしかできない踊りがあるなら、私にもできるかもしれない」と思ったんです。スペイン旅行をきっかけに、フラメンコと真剣に向き合うようになりました。
始めて1年経ったときに、カルチャーの先生がやめてしまったんです。その先生が好きだったので、もうカルチャーで続ける気がなくて、新たに教室を探して出会ったのが鬼本由美先生でした。
教室に見学に行ったのですが、オーラがもう、それまでに見学した先生とは全然違ったんです!生徒さんもすごく真剣で、その場で「この人に学びたい!」と思って決めました。鬼本先生は今もすごく尊敬しています。魂というか、感情の出し方が凄い。何も語らなくても、吸収することがたくさんあります。
実は私、大学を2年で退学したんです。何ごとにものめり込むタイプで、フラメンコと大学の両立は無理だと思ったから。宝塚の受験に失敗して大学に入ったときに、「絶対にこれ!」と思えるものに出会ったら、その時点でやめようと思っていたのですが、それがフラメンコでした。このときも両親には猛反対されましたけど。鬼本先生にも「やめちゃいました」と事後報告したら、すごくびっくりされていました。
練習にも独自の工夫。「踊らないことが怖い」
その分、フラメンコへの取り組みは半端じゃなかったです。練習方法も自分で工夫して、いろいろと試みました。ビデオ持参で練習中を撮影し、自分で分析したり人に意見を聞いたり。クルシージョにもたくさん参加しました。あとで聞いた話ですが、先輩からはよく「あの子はやる気がある」「気合いの入り方が違う」と言われていたようです。
あまりに練習しすぎて、疲労骨折がクセになってしまったみたいです。それでも練習は休みません。逆にいえば、練習を休むこと、踊らないことが怖いんです。
もちろん、何度も壁にぶつかっています。でも、やめようと思ったことはないです。そういうとき、私はできるだけ初心を思い出すようにしているんです。フラメンコ以外の音楽もよく聴くのですが、そういう曲でフラメンコを踊ったりして、何とか自分のモチベーションを保っています。
練習のしすぎでむち打ち症にもなりました。病院の先生に相談したら、肩の筋肉を強化しなさいと言われたので、今は練習をセーブしてジムに通っています。これもフラメンコのため。フラメンコを始めて5年が過ぎましたが、将来はプロとしてやっていきたいと思っています。今は仕事にも就いていますが、将来は子どもの頃に描いた、人に夢を与える仕事を、フラメンコを通じてやっていきたいと考えているんです。
スペインで舞台に立てたことがうれしい
2004年の6月から05年7月までスペインに行っていました。母の知人がマドリッドにいて、部屋が空いているからとタダで住まわせてもらえることになって。すごくラッキーでした。 |

スペインで劇場とタブラオの舞台に立てたことは貴重な経験でした。また行きたいです! |
マルタ・フローレンス、ジョランダ・ロマンという二人の先生に学んだのですが、どちらのクラスでも舞台で踊る機会を得られたことは、すごく貴重な経験でした。マルタのクラスは発表会だったのですが、初めてソロを踊らせてもらいました。最初は驚きましたが、チャンスだと思って頑張りました。
ジョランダのクラスはタブラオでの群舞だったのですが、日頃とても厳しい彼女に、「あなたがみんなを引っ張ってね」と頼りにされたのがすごくうれしかった。日本人は私だけでしたが、けっこう目立っていたみたいです。帰国後、鬼本先生に写真を見てもらい、「この人があなたの先生?」と言われたことが、すごくうれしかったです。
マドリッドは留学生よりも地元のスペイン人がフラメンコを学んでいることが多いので、そういうところでいろんなことを吸収できたことが、私にとってはとても勉強になりました。スペインでよく、「あなたはきれいに踊ろうとするのではなく、心と魂がこもっているところがいい」と言ってもらえたことがうれしいです。
フラメンコを通じて、人に夢を与えたい!
今後は、またスペインに行って勉強したいです。あと、とにかくステージに立つのが目標です。私自身、宝塚の舞台を見て元気づけられてきたので、将来はフラメンコを通じて、見てくださる方たちを元気づけられる踊り手になりたいと思っています。同時に「私はこんなにフラメンコが好き!」ということを伝えたい。
でも、「絶対にフラメンコでなければダメ」とは思いません。プラスアルファとして、いろいろなエンターテインメントの要素が加味できれば、なおいと思っています。マリア・パヘスの舞台が好きなのですが、将来は彼女のような舞台、できればストーリー性のある舞台を演じたり、演出もやりたいなと思っています。
夢は大きく、道のりは遠いですが、一つひとつ確実に実現していきたいと思っています。
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3月19日に初のエルフラメンコでリサイタルを行う。詳細はこちら |