取材・文 志風恭子
 
 

大学時代にフラメンコと出会い、在学中にスペインに短期滞在。卒業後は就職か否かで悩んだ末、意を決してスペインへ。同じように悩む人も多い中、屋良有子(やら・ありこ)さんの場合の過去・現在・未来について尋ねてみた。

 



●過去

学生時代、日本では六本木にあったカフェ・デ・チニータスでアルバイトをしていました。開店してから2ヵ月かな、で入りました。フアン・アンドレス・マジャやイサベリータ・ロペスといった踊り手たちが出演していた頃です。それよりも前に大学のサークルでフラメンコをかじりました。でもあまりまじめに活動していなかったので、そこの出身とはいえないかと思います。あとAMIさんのクルシージョに行ったりもしてました。

大学の休みに、本場で本物を見てみたいと思って、何も知らないまま2ヵ月セビージャに来ました。そのときがとても楽しかったので、今度はもっと長く来ようと思ったのです。何がよかったんだろう。人の笑い方とか、そういった小さなこともなんだか全部よかったんです。本当に惚れ込みました。大学の3年生のときのことです。そのときはサンタ・フスタ駅の近くに住んでいたのですが、今度はトリアーナに、それも1年住んでみたいなと思って。

バルで1111111111

●現在

2001年、大学を3月に卒業して、5月にやってきました。でも2年分くらいしかお金ないかなと思ってました。留学資金はバイトでためました。毎日12時間くらい働いてました。ほんとに毎日毎日休まずに。でも、結局もう2年以上いますね。
 
最初からセビージャに来るつもりでした。空気が違うんですよね。ほんと、小さいそこらのおやじバルとか、地元の人たちがいて、そういうところも大好きです。
 
最初はマノロ・マリンの教室に行きました。代教のピラール・オルテガが好きで、今も彼女に習っています。今はアリシア・マルケスのスタジオで、ですが。来てみて最初はとくに、もう少し日本で勉強しておけばよかったかな、と思いました。でも今は楽しく過ごしているので、結果論になっちゃうけど、これでもよかったかな、と思います。

実は大学卒業後は就職するつもりだったので、学生時代はその準備をしていました。ただフラメンコをこのままやらずに就職していいのかという気持ちも強くて。逃げたかったわけではないんですけど。

フラメンコをこのままやらずに企業に入ってしまっていいのかな、と思ったんです。でもとりあえずセビージャに来て、自分の気持ちを確認してから、と思って、来ました。


レッスンのあとで11111

●未来

いつまで?どうしましょう…。一昨年の12月ももう帰らなきゃとか言ってたんですが、まだいるんですよ。う〜ん。学生ビザをとってきて、延長したんですが、もう期限も切れるし。もうずいぶん帰ってないし。不法滞在ではなく、ちゃんと住んで、踊りの方をやっていきたいんです。どういう道がありますか…。お金のこともありますし、一度帰って具体的にしないといけないなあと思っています。お金があるうちはこっちにいた方がいいんじゃないとも言われるんですけど。

本当にここが大好きなんですけど、生活のために好きじゃないことをするというのは、今はしたくない。好きなことをするためにいたい、でもできるだけ長くいたいという…。欲張りなんです。

これからですか?どうしましょう。踊っていきたいです。どういう形になるかは分かりませんが、今を正直に生きていけば、その後の道は自然に出来るのじゃないかと思っています。そう信じて毎日厳しく生きていきたいです。

●わたしの一日
7:30  起床
9:00〜10:30 自主練習
11:00〜12:00 クラス
<昼食>
15:00〜18:00 自主練習
19:00〜20:00 クラス

1ヵ月におおよそかかる金額:
550ユーロくらい


★留学志望者にひとこと
「とにかく一度、旅行で来るのをおすすめします。突然来て5年住もうとかするよりも、とりあえず来てみてからですね。考えているならチャンスがあるときにやってみよう、ですね。しない後悔よりもした後悔、ですよ」(屋良有子さん)