セビージャでの2年間のフラメンコ留学を終えて帰国した斎藤恵子さん。2月11日にはエルフラメンコでリサイタルを行い、日本での新たな第一歩を踏み出す。

斎藤恵子さんのリサイタル「El Primer Concierto」は東京・新宿エルフラメンコで2月11日(水)18:00開演。詳細はこちらをご覧ください。

 



●2月11日のリサイタルは、恵まれた日本でのスタート

セビージャで2年間、主にコンチャ・バルガスのレッスンを受けていました。1月9日に日本に帰ってきたばかりなのですが、2月11日のリサイタルは、去年の秋ごろから周囲の方がいろいろと動いてくださって現実のものとなりました。私としては、今までスペインで学んできたことを何らかのかたちで発表してみたいとは思っていたのですが、これほどの規模のものとなって、「恵まれすぎ!」といった心境。協力していただいた方には本当に感謝しています。

リサイタルではコンチャ自身は踊りませんが、賛助出演してパルマを打つなど、舞台を盛り上げてくれるんですよ。ギターの俵さんにもセビージャでのレッスンで演奏していただいたことがありますし、私としてはレッスンの時と同じ感覚で、コンチャから学んだことを発表したいと思っています。

●コンチャ・バルガスから学んだこと

セビージャでコンチャにレッスンを受けたのは、日本で学んでいる佐藤佑子先生に薦められたのがきっかけでした。私自身、実際に現地でいろいろな方の踊りを見たのですが、コンチャが佐藤先生の踊りにいちばん近いということも、彼女に決めたポイントです。それに、誰よりも“熱い人”だったから(笑)

コンチャはとても心の温かい人です。レッスンでは出し惜しみせず、持っているすべてのものを私たちに教えてくれるんです。そんな彼女の一生懸命なところを見て、私も彼女に惹かれたんだと思います。体の使い方など、学んだことはたくさんありますが、「カンテを聞いて感じて、感じたまま表現することが本来のフラメンコ」と、彼女は教えてくれました。

「将来はコンチャのように、日常生活の中
でフラメンコと一緒に過ごしていきたい」

 

●スペインでの生活

スペインではセビージャのトリアーナに住んでいました。月曜から金曜までは午前10時からレッスン。お昼を食べてから自主練。夕方からまたレッスン。土日は普段できない買い物や掃除などを午前中にして、午後は自主練したり友だちとご飯食べたりしていました。

今、セビージャにフラメンコを習いに来ている日本人は本当に多いですよ。スタジオによっては、習っている半数以上が日本人のクラスもあると聞きました。でも、日本人の友だちが大勢できて、フラメンコのいろいろな話ができたことはとても良かったと思います。スペインに2年いて良かったことは、気持ちにゆとりが持てるようになったことかな。

倉持さんの奥様が、やはりコンチャ・バルガスにフラメンコを学んでおられて、そのご縁でご自宅に寄せていたたく機会も多かったのですが、本当によく人が集まるお家で、たくさんの人と出会うことができました。毎回それがすごく楽しみで、おいしい食事をご馳走していただけた事も、もちろん楽しみの一つでした。

セビージャは温かい人が多いですね。おせっかいすぎると思ってしまうほど親切な人が多いです。セビージャで好きな場所はトリアーナ橋からの景色。とても有意義な2年間でした。


セビージャのフェリアではコンチャの家族といっしょに
カセタ(特設小屋)で過ごした

●フラメンコを学んだきっかけ

祖母がフラメンコ好きだったことから、ほんの習い事のつもりで始めたのがきっかけです。当時、私は8才で、母に連れられて自宅から近い池袋のフラメンコ教室に見学に行ったのですが、それが佐藤佑子先生のところでした。最初、先生には「子どもには教えたことがないから」と言って断られたみたいです(笑)。でも「そこを何とか」と言って、妹と二人で習い始めました。

でも、正直言って、途中で何度もやめたくなりました。まわりにはバレエを習っている子とかも多かったのに、何で私はフラメンコなの?って、いつも思っていました。私が小学生の時というと、まだフラメンコは今ほど知られていませんでしたからね。フラメンコと接するのはレッスンを受ける時だけ。本当に好きになったのは大学(日本女子体育短期大学舞踊専攻)に進んでからだったと思います。

●スペインに行ったきっかけ
 
ちょうどその頃に、私をフラメンコと出会わせてくれた大好きな祖母が亡くなったんです。スペイン行きを決意したのは、そのことがあってでした。

ありがたいことに私の家族や友だちはスペイン行きを応援してくれました。両親はむしろ、留学を自分の意志で決意したことに対して喜んでいたくらいです。今回の帰国の際にリサイタルをすることをみんなとても喜んでくれています。

●これからのこと

今も佐藤佑子先生のところに籍を置いているんです。佐藤先生には8才の時から、もう16年も習っていることになりますが、今後もそれは変わらないと思います。

今後は、少しでも多くの方に私の踊りを見ていただくために発表の機会を作っていきたいと思っています。やはりスペインには1年に1回くらい、たとえ短期間でも行きたいですね。

留学中の夏休みに5日間くらいコンチャと生活しましたが、コンチャのフラメンコは生活の中で生まれたものなんだなと実感しました。私も普段の日常生活のなかでフラメンコと一緒に過ごしていくことが一番の理想だと思います。今はコンチャに学んだことに忠実に踊っているだけ、という感じですが、今後、いろいろなものを吸収して自分なりのものを出していきたいと思っています。