もう数年以上前になるだろうか、まだ幼い彼女が群舞部門に出演したときのコケティッシュなガロティンを、今もはっきりと覚えている。少女がやがて大人になるのは当然のことだとしても、まだ大学を卒業したばかりの鈴木舞が踊って見せた「大人の世界」には、正直言って感慨を超える驚きがあった。フラメンコの重さとしなやかな動きが、彼女の体の中に共存しており、高い身体性を感じさせると同時に、詩的な世界を表現していた。
今回踊ったのは、ラファエラ・カラスコから習った振付を元に、ギタリストたちとの練習の中で、一緒に再構成していったという「ロンデーニャ」。「最初に習っていたときは、とても難しかったのですが、だからこそでしょうか、1曲が仕上がったときには、大好きなヌメロになっていました」と鈴木。踊り手の曽我部靖子を母にもち、幼い頃から舞踊やフラメンコに親しんできた彼女には、全くといってよいほど力みがない。それが、この曲を自分のものにすることを通して、フラメンカとしての開眼があったようだ。鈴木舞の挑戦は、きっとここから、新たに始まることだろう。
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