井山直子が放つオーラのまばゆさには、特筆すぺきものがある。技術的にはまだ弱かったが、気合たっぷりのアイレで強烈な印象を残した一昨年。舞踊テクニックと表現力が備わってスケールの大きいシギリージャを熱演した昨年。そして今回は、フラメンコ表現としての彼女のこだわりを前面に出しての演技だった。どの時も、一度見たら忘れない彼女のフラメンコだった。
「上手いけれど印象に残らない」。これが出場者の大方を占めている昨今、井山が持っている踊り手としての存在感は、舞台人としては大きな武器だ。
そんな彼女が、「見せることを強く意識しすぎて、自分の芯が揺らいでいると感じていた時期がありました」という。だから、「見せることよりも自分がやりたいこと」を、今年は踊った。が、フラメンコは難しい。それが私には、フラメンコへの思いが勝ちすぎて、彼女の個性が押さえ込まれているように見えた。ある種のフラメンコのイメージが、彼女を縛っているように感じたのだ。これから、彼女は自分のスタイルをどう作っていくのか? 彼女の豊かな資質が、のびのびと、大きな実を結んでほしいと期待している。
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