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板坂 本来、アルゼンチンタンゴというのはベッドイン直前の男女を描いた踊りだからね。もとはブエノスアイレスのヤクザと娼婦の踊りなんですよ。男と女は、ベッドインの時には「ヤクザと娼婦」になりきるのが理想的だからね。ところで酒井さんは娼婦願望ってある?
酒井 娼婦…。
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板坂 男は「仁義なき戦い」を見たあとは、みんな菅原文太になったような顔つきをして映画館を出てくるものなんだ。つまり、男の中にはヤクザ願望があるってことなんだけど。 |
酒井 「ゴッドファーザー」でいうとアル・パチーノになったような。
板坂 逆に女性って、こういう踊りを見た後って、そういう気分にはならないの?自分の顔が娼婦のようになっているかのような。
酒井 うーん、例えばこの人のもとでは娼婦のように振る舞おうっていう部分はあるかもしれませんね。
板坂 それは娼婦とは言わないよ。娼婦っていうのは不特定多数を相手にする生き方だから。
酒井 そうですか…。でも私は娼婦はイヤだなあ。
板坂 あ、そう…。こういう官能的な踊りを見た後って、願望としてそういう気分にならないのかな。
酒井 うーん、私の場合、肉体労働って苦手なんですよ。
板坂 なに?ソレ…。ところで酒井さん、フラメンコを始めようと思っているんだって?
酒井 そうなんです。とうとうその気になりました。
板坂 先生、紹介しようか?それとも、僕で良ければ…。
酒井 ええ、ぜひ!お願いします。
板坂 あなたもスペインに行けば、いつも書いているようなテーマでもっといい文章が書けると思うよ。何しろ日本人女性はスペインではモテるからね。
酒井 そうなんですか?
板坂 日本の女性は金を持ってるからね。
酒井 お金があるからモテるっていうのも何だかイヤだなあ。
板坂 とにかく金を持っているからモテるんだ。酒井さんも愛はお金じゃないと思っているのは今のうちだよ。
酒井 私も、逆の立場で考えたらそうかもしれません。
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