ウニオン国際フェスティバル続報

写真・文 志風恭子

■8月15日準決勝最終日 


平 富恵さん

南風野かおりさん
 
22時45分。この夜の一番手で登場した平富恵は赤に黒のレース地をあしらった美しいバタ・デ・コーラで登場。曲はシギリージャス。カスタネットを流麗にあやつり、バタさばきも超一流。恩師というミラグロス・メンヒバルを思わせる、セビージャ派とよばれる女性舞踊の粋を感じさせるすばらしい舞踊だ。

バタがゆっくりと宙に舞う。カスタネットの連打の音色の美しさ。どれをとってもスペイン人参加者に一歩もひけをとらない素晴らしさで観客を魅了した。堂々として風格すら感じさせる。

「観客がシーンとしているのであまり気にいらないのかな、なんて思ってました」
と出番を終えた彼女は余裕の発言。いや観客は度肝をぬかれていたんですよ。鳥肌もののすばらしい出来でしたよ。

深夜2時をずいぶんまわったところでこの日のトリをつとめる南風野香が登場。茶色の衣装にレモンイエローのブラウスを羽織り、曲はタラント。当初、タラントと自由曲の二曲を踊るということで、インタビューでアレグリアスを、と語っていた彼女だが、コンクール初日に一曲だけと告げられて急遽タラントを選曲したのだという。

上品で繊細な動きが印象的だ。ポーズがとにかく美しい。待ち時間がとても長くプレッ
シャーも強かったのだろう、緊張した様子もみうけられたが、きちんと踊りきった。踊りとむきあう真摯さはその舞台にもじゅうにぶんにあらわれていたと思う。

「いや〜、もうぜんぜんだめでした〜。間違えたのわかりました?」

いえいえ、ぜんぜん。よかったですってば。プレッシャーに負けないでよくあそこまで踊
ることができたと思いますよ。

翌日正午に発表された決勝進出者に二人の名前はなかった。だが、観客たちの声が二人にとって何よりもの賞だったにちがいない。

審査員をつとめたペラオ夫人でベテラン舞踊家ラ・ウチやカンテ部門、ギター部門の審査員だったフラメンコ研究家ホセ・マヌエル・ガンボアをはじめ、ジャーナリストたち、フェスティバル関係者から賞嘆の声をきいた。

「とにかく素晴らしかった。驚嘆した。日本人であそこまで踊ることができるとは」
 
名も知らない一般の観客に、会場周辺で何度も声をかけられた。

「あの日本人舞踊家に会ったらよかった、って伝えてくれ。ほんとによかったよ」

日本人が準決勝に?と最初は不思議に思っていた観客もいることだろう。だが、二人の舞台はフラメンコが国境を超えたアートであることを証明してくれたようだ。彼女たちに続く踊り手たちがこれからどんどんスペインにやってくることだろう。
 
なお、二人の健闘をたたえ、名誉ファイナリストの賞状をフェスティバル実行委員長より授与されたという。 
 
二人に心からの喝采を!


出番終わってくつろぐ

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