エルフラメンコ40周年記念企画
ドミンゴ・オルテガ Sentir Flamenco

オープンから40年。日本にいながらにして、本場スペインのフラメンコアーティストの公演が毎夜(水曜除く)楽しめる貴重なスポット、新宿「エルフラメンコ」。

現在はドミンゴ・オルテガ率いる8名のグループが出演中。開始から2ヶ月の某日、その舞台を拝見させていただきました。

第1部は19時開演。会場は、ほぼ満席状態。「スペインの黒豹」だけあって、女性ファンが多いのでしょうか?この回は、女性のお客様がたくさんいらっしゃいました。

ショーが始まると、なんとオープニングから「ファルーカ」。まず、ドミンゴがソロで踊り出します。そして、バイラオーラ1人ずつとペアを組みながら絡んでゆく。マッチョな外見からのイメージを裏切る、静かで優雅な動き。「百聞は一見にしかず」ですね。力で押すこともなく、いきなり汗を飛ばすこともなく、ドラマティックに「ファルーカ」を踊り上げてくれました。

続いて3人の女性舞踊手によりソロ。3人とも全く違うタイプの踊りなので、表現の仕方も三人三様。時間を忘れて楽しませていただきました。

カリーナ・トゥルシーニは、とても丁寧に踊っている印象を受けました。「タラント」素敵でした。体型的に日本人に近いので、バイレ練習生にとっては、細身でも重みを醸し出す踊り方は、とても参考になるのではないでしょうか。

ベゴーニャ・カストロは華やかな舞踊手。2年前、ヘレスのフェスティバルではエル・グイトと共に舞台に立っていました。腕の上げ方、体の使い方、全てがエレガントで風格のある堂々たる“フラメンカ”。ポーズひとつひとつが美しい絵のように決まり、一部では「グアヒーラ」、二部では「ソレア」を魅せてくれました。      

ヌリア・アンドレスは、野性的な面立ち、ダイナミックな動き。前の二人とは全く違うカラーの踊り手。時折見せる少年のような凛々しさが印象的でした。

そして、最後はドミンコ・オルテガの「ソレア・ポル・ブレリア」。マイテ・マルティンのアルバム「ムイ・フラヒル」をお持ちの方なら耳覚えのあるメロディー「S.O.S」が流れる。それとともにドミンゴ登場。そして舞台の画面が切り替わるようにソレアに展開。そしてまた、静かなエンディングへ、となかなか洒落た構成でした。

そんな中でも彼は、ブレリアを踊りだすとヘレス出身らしく、さっきまでの二枚目ぶりはどこへやら。真面目な顔で、さりげなくおどけた動き。まさにブレリア!を披露してくれました。

一部終了後、二部までの合間にリーダーのドミンゴにインタビューをさせていただき、その中で「二部のオープニングはファンダンゴだよ。これも珍しいだろう」とのお言葉。個人的にもファンダンゴ好きなので、楽しみ、楽しみ!

そして二部が始まり、予告通り(?)ファンダンゴ・デ・ウエルバから始まり、ラスト、店長さん一押しのドミンゴの「アレグリアス」まで堪能させていただきました。

どうだったか?、、、それは観てのお楽しみということで、皆さんご覧になって、彼の「フラメンコ」を感じてください。必見です!

ドミンゴのインタビューにもありますが、一部、二部全く違った構成ですので、通しで観れば一晩で7曲種のバイレを楽しめます。「今後も構成の大枠は変えないけれど、毎回必ず“昨日とは違うバイレ”になる」(ドミンゴ)とのこと。

また、フラメンコ=“お祭り騒ぎ”、あるいはその逆で、“暗くて重い曲調”という固定観念を打ち破るべく考えられた、バラエティーに富んだ曲種でのショウ構成は、フラメンコ初体験の方にも是非お薦めです。
 
「フラメンコとは何かを語り、表現するもの」と熱く語ってくれたドミンゴ。
何度観てもきっと新鮮に楽しめるショウであること間違いなしです。まだ観ていない方はお見逃しなく!

文 M A K I K O