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●初の試み
今回のライブでは役者さんと共演します。というのも、舞台で「ありのままの自分を認める」ということに挑戦したかったんですよ。誰もが持つ「認めたくない自己」に目を向けてみよう、と。
だから、普通のフラメンコのステージとは一風変わっているんです。少しでも多くの方に観ていただいて共感していただければ、と思っています。
今年の春にお話をいただいたのがきっかけでした。場所もちょっと変わっているし、企画ものがあればどうぞ、と言ってくださったんです。
そのとき、なぜだか分からないけど私、堰を切ったように話し始めたんです。心にたまっていたことをわっと吐き出すように。普段、私はあまりそういう話をしないんですけど、そのときは違ったんですね。話し終わった後、どうしてこんなこと話してしまったんだろう、と思いましたけど。
でも、話したことによって、自分の中で日ごろから感じていたものが形となって見え始めたような気がしました。そのころの私は、自分が踊り手であるにもかかわらず、踊ることが苦痛だったんです。いろんなことがありましたので。きっと気持ちに余裕がなかったんだと思います。自信もなかったし。きっと、自分が納得できる踊りができる状態になかったから、踊りたくなかったんでしょうね。
このお話がきっかけとなって、自分のそういう面も認めてみようと思い始めたんです。そうして、夏までに構想を考えていきました。それに際して台本を作ったんですけど、自分が以前からずっと考えていたことだったので、あっという間に出来上がりましたね。
認めたくない自分を含めて、
ありのままの自分を受け入れる
実は、最初は舞踏の方と一緒にやろうと思っていました。舞踏って、すごくグロテスクで生々しい表現の踊りだと思うんですよ。それが今の私の内面に近いと思ったんです。
でも、舞踏の世界は特殊なので、共演する方を探すのが難しかった。どうしようと考えたときに、台本にそってナレーションをする人が必要だということになりました。それなら役者さんにお願いしよう、と思ったんです。
自分の分身ということで、私に背格好が似ている役者さんを探しました。早速、その方に台本を送ったら、とても共感してくださったんです。そして、ぜひ一緒にやりたい、という嬉しいお返事をいただいたわけです。
そのとき、「認めたくない自分を含めてありのままの自分を受け入れる」というテーマは、私ひとりが思い悩んでいたことではなく、実は同じような思いの方が結構いるんだ、と実感したんです。
スランプからの脱出
自分の考えで舞台をやりたかった
●今回の作品はフラメンコ?
ステージとしては、私がフラメンコのヌメロを踊るというものなんですが、そのほかに"内在するもうひとりの自分"ということで、ヌメロ間で役者さんに台詞で語ってもらいます。舞台には、ふたりが上がっている状態です。分かりやすい舞台になると思いますよ、日本語が分かれば、の話ですけど(笑)。
といっても、まだ煮詰めている段階なんです。照明をはじめ、舞台装置が限られていますから、それをいかに有効に使うかも考えています。今回のステージの出来次第では、この作品を本格的な舞台作品として再演することも考えているんですよ。まだ、それは先の話ですし、今回の結果次第ですが。
こういう試みは初めてなんです。以前から、ぼんやりと考えてはいましたが、具体的に考えだしたのはやはり、春に企画もののお話をいただいてからですね。
4年前、ハビエル・ラトーレとの舞台を終えたとき、もうやりたいことはやってしまい、自分の中が空っぽになってしまったんです。もうフラメンコをやめてもいい、と思うくらい(笑)。
でも、漠然とですが、次に何かやるとしたら、自分でやりたいということは思っていました。スペインのアーティストを呼んできて、彼らに引っ張ってもらいながらやる舞台ではなく、自分ひとりの力で何かやりたい、ということを考えてはいたんです。
フラメンコはスペインに行くための
"手段"だった…
●フラメンコを始めたきっかけ
実は、私、キャリアウーマンを目指していたんです。でも、それがだめだと分かったとき、自分の力を最大限発揮できる職業は何かと考えたんです。そして、フラメンコを「職業」として選びました。以前はフラメンコを観ても感動しなかったのに、おかしいですよね(笑)。
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当時、留学ブームだったので、私も大学で専攻していたスペイン語を勉強しにスペインに渡ろうと思いました。でも、スペイン語は"つぶし"がきかないんですよ。でもスペインには行きたかった。で、そこで考え出したのが、"踊り"だったわけです。
以前はこの話をするのが後ろめたかったんです。あまり大きな声じゃ言えませんよね(笑)。でも、やっと最近、自分はフラメンコを職業としてやっていこうと思ったわけだから、それでいいんだと思えるようになりました。
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極端なことを言えば、ジプシーだって"めしを食うため"に踊っていたわけですからね(笑)。とは言うものの、食べていける自信はなかったです。でも、なんらかの形でどうにかつなげなくちゃ、と必死でした。
帰国するとすぐに、お仕事の話をいただいたんです。でも、それだけでは苦しくなり、教え始めました。本当は、教えるのはもっとずっと後で、と考ていたんですけど。いろいろなタイミングが重なって今がある、すごくそう思いますね。
「とにかく楽しく!」がモットーの教室です
●スタジオについて
指導歴は、かれこれもう9年になります。でも、最初は生徒ひとり、ふたりでしたけど…。今は100人くらいです。
うちのスタジオは渋谷という場所柄、OLさんが中心なんです。仕事のストレスを抱えた彼女たちはここへ来て体を動かし、スカッとして帰る。ですから、スタジオの方針は「とにかく楽しく!」。もちろん厳しくするところもありますが、基本的には楽しいレッスンを心がけています。
その中でもやはり、ポツリポツリと本格的にやりたいと思う生徒さんが出てきています。そういう子たちには、今のところ通常のレッスンのほかに、個人レッスンで指導しています。
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もしフラメンコをやっていなかったら:何かの経営者になっていたでしょうね。商いが好きなんです
好きなヌメロ:ソレア
好きなアーティスト:なんといってもハビエル・ラトーレ!あとはラ・トナー |
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楽しく、がモットーですが、基本的な礼儀はきちんと身につけてもらいたいと気をつけています。どこへ行っても気持ちよく過ごすことができるように。もちろん、それは当たり前のことで、別にうちのスタジオで教えることではないのかもしれませんけど。
レッスンはどのクラスでも10名くらいですね。15名が定員なんです。和やかなムードと少人数レッスンが、うちのスタジオのウリです。
定期的にスタジオコンサートもやっています。みなさんに衣装を着てもらって、立食形式で。発表会以外で衣装を着る場ってなかなかないですからね。そういう場を作ってあげたいと思っているんです。
とにかく、今は11月のステージに向けて全力疾走(笑)。ぜひ観にいらしてください。
取材・文 轟 志津香
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