発表会は今年で8回目になります。私のところでは発表会への参加は「自由」ということにしているのですが、府中のスタジオと三鷹のクラスを合わせて44人が出演します。今回も群舞1曲を除いて衣裳はすべて替えるのですが、やはり生徒にとってはきれいな衣裳を着てスポットライトを浴びる貴重な機会。一度出演した人は次の発表会に向けてまた頑張る、というケースが多いですね。
生徒は9割がお勤めの女性ですが、今年は子どもクラスで習っていた3人も出演します。入門半年の生徒もセビジャーナスで出ます。いつもは舞台の最後の方はクアドロ風の演出にするのですが、今年はバル風にして、ちょっと趣向を変えるつもり。ここでは主に中級の生徒が踊ります。
今年は夏に茨城で合宿をしたんですよ。ギタリストの方のログハウスをお借りして発表会の練習をしたのですが、20人以上もの生徒が参加してたいへんな盛り上がりでした。夕食はバーベキューをしながら夜中までブレリアのパルマの練習やセビジャーナス大会。1泊の合宿は以前にも静岡の熱川に行ったことがあるのですが、その時も生徒にはすごく好評で、今年は発表会には出ないけど合宿だけ参加するという生徒もいましたね(笑)。多くの生徒は、合宿に参加することで安心して発表会に臨めるみたいです。今後もできれば続けていきたいと思っています。
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丁寧で根気強い指導で、長年習い続けている生徒も多い |
自身の体験から
徹底した少人数制、基礎重視の指導を貫く
92年にJR三鷹駅そばのスタジオを借りて初めてクラスを持ち、95年からは京王線府中駅の近くにスタジオを持ったのですが、今もこの2ヵ所で教えています。生徒はやはり沿線で通勤する人、特にOLさんが多いですね。地元密着ということで、発表会も府中市の会場を借りて行います。
入門で入ってくる人が多いのですが、経験者も結構います。経験者の場合、変な癖が身についてしまっている場合が多いので、その矯正をしながら、もう一度基礎をやり直すことが多いです。例えば、踊っている時に肩が内側に入ってしまっている人は、そこを直すだけで全然違ってくるんですよ。あと、これは特に入門者にいえることですが、最近はネコ背の人が多く、そのへんは本人が苦労してでも最初のうちに徹底して直すように指導します。それと、入門クラスはストレッチにかなりの時間を費やしますね。
気がついたことは必ずその場で直す、というのが私の方針なんです。例えば腰の下10センチくらいの部分を押して、同時に脊髄を伸ばすだけで、体全体が驚くほど引き上がり、別人のように踊れることがあります。その場では忘れたり持続できないかもしれないけれど、何度でも直接その人の体を押して矯正していくと、自然と身につきます。
私自身、本来は飽きっぽい性格なのですが、踊りの指導に関してだけは、かなり粘り強いと自分で思いますよ。何しろフラメンコをやりたいために、当時1歳の子どもを連れて実家に戻り、その後、無理矢理に主人を東京に転勤させてしまったくらいですから(笑)。
基礎重視という指導方針は、実は私の体験に基づくものなんです。私は大学時代、ジャズダンスとソシアルダンスをやっていて、その後、フラメンコに転向したものですから、そのへんはすごく苦労したんですね。今も他の踊りをやっていた人が入ってきますけど、そういう体験は一度ゼロに戻す必要があることをお話します。逆に本当の白紙の状態になりますから、他の踊りに転向しても上達すると思います。
経験を積んだ人は
早く一人で踊れるようになってほしい
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「長く続けている人は将来、タブラオでソロで踊れるくらいの力をつけてほしいです」 |
生徒も経験4〜5年になると、一人で踊れるように目標を持ってほしいというのが私の願いです。いざ一人で、となるとなかなか踊れない人が多いんです。でも、フラメンコは基本的には一人で踊るもの。そしてギターとカンテの三位一体の楽しさを多くの生徒に伝えたいと思っています。
クラスレッスンは1曲を仕上げるまでに確かに時間がかかります。私の場合、長いものだと10ヵ月くらいかけて教えますからね。でも、それらを乗り越えて踊りが体に浸透してきた時こそ、その人が大きく成長する時です。できればタブラオでソロで踊れるくらいの実力をつけてあげたい。私の経験によると、物事をポジティブに考える人の方が上達のスピードは速いかもしれません。たとえ遅くても、続けていれば必ず上達しますから安心してください。
今後の夢としては、そうして教えた生徒たちと舞踊団を作りたいですね。あと、来年くらいに私個人のリサイタルを開きたいと思っています。今は入門クラスを増やしているのですが、一人でも多くの人たちにフラメンコを踊ることの楽しさを伝えていきたいと思っています。
取材・文 藤戸良彦
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