第40回

武田 泉さん(舞踊家)

 横浜、鎌倉、高田馬場、吉祥寺にクラスを持つ武田泉さんが、思い入れたっぷりの2回目の発表会を2月7日に開催。3才から児童舞踊を習い始め、今も「踊りが好きでたまらない」という武田さん。フラメンコを始めたきっかけや将来の目標についてもうかがった。


武田泉スペイン舞踊教室
第2回発表会は
2月7日(土)17時から
大船・鎌倉芸術会館小ホールで
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 99年にクラスを持ってから、今回が2回目の発表会となります。ほぼ全員、横浜の生徒さんを中心に、東京クラスからも出演します。

 前回、初めての発表会としてはとても良かったと言っていただいたこともあって、今回も基本的には同じ路線でやります。フラメンコのヌメロとクラシコ・エスパニョール(スペイン古典舞踊)。でも今回は「見せる」ことにおいて前回よりも意識して、例えば群舞でも、ソロのように同じ位置で踊り続けるのではなく、入れ替わりがあったりと、構成に力を入れています。

 伴奏、照明、舞台監督らスタッフも、私が新人公演に出演した時からお世話になっているベテランの方々で、生徒にも温かく接していただき、ご助言もいただいています。だから私も安心してお任せしているんです。みんなが舞台で一生懸命に、そして楽しんでいるところを見てほしい。私も踊りが好きでずっと踊っているので、会場に来られる方には、たとえフラメンコのことがよくわからなくても、踊るということがこんなに楽しいんだと感じていただければと思います。

フラメンコを始めたのは、一人でもずっと踊っていられるから

  私は本当に踊ることが好きなんです。とにかく、踊りたいだけなんです。3才の時から児童舞踊を習っていて、いったん高校受験の時にやめたのですが、高校に入ったらまた踊りをやりたくて、自分で探し始めました。

 電話帳で調べてあちこち電話した中で、偶然お話できたのが山田恵子先生だったんです。周りの方からは社交ダンスも勧められたのですが、一人では踊れないので、フラメンコに決めました。フラメンコをちゃんと見たこともなかったのに、ただ一人でも末永く、ずっと踊っていられるからという、それだけの理由でした。


少しずつ作品づくりにも取り組む。「1年に1作が自分の課題なんです」

 習い始めの頃は時々、後悔したりしました。私は性格的に感情を出す方ではなかったし、フラメンコの"濃さ"がどうしても出せないんですね。フラメンコは自分には不似合いな踊りなのでは、という思いがずっとありました。

 でも、山田先生はとてもきれいな踊りをされる方で、フラメンコだけではなくクラシコも教えていただけるので、これなら続けられるかなって思ったんです。山田先生にフラメンコを習ったきっかけは本当に偶然でしたけど、違う先生だったら、途中でやめていたかもしれません。

ストレッチ、バレエ、クラシコを取り入れたレッスン

 96、97年にフラメンコ協会の新人公演で努力賞、奨励賞を受賞した頃から、フラメンコに対する気持ちに変化が出てきました。そして、98年に現代舞踊協会河上鈴子スペイン舞踊新人賞を受賞したのが、この世界でやっていこうと決めたきっかけになりました。


セビージャ滞在時に部屋を借りていたロサリオおばさんと。「かつてはフラメンコを踊っていらした、素敵な女性です」
 大学も卒業して、経済的に自立したいという気持ちもありましたし、人に教えることも嫌いではなかったので。もちろん、自分自身がずっと踊りを続けたいという気持ちが何よりも強かったんですけど(笑)

 いま高田馬場と横浜の根岸、鎌倉、吉祥寺でクラスを持っていて、生徒数はだいたい20人ちょっとというところで落ち着いています。今は代教の人もいないし、目の届く範囲で教えたいので、私にはこれくらいの生徒数がちょうどいいんです。お休みの日というのはほとんどないのですけど、週に1回は自分自身のレッスンに充てたり、振付けと自分の体のためにモダンダンスのお稽古をしています。

 また、今でも月に2回くらいは山田恵子先生に個人レッスンを受けています。やはり私自身も時々軌道修正をしていただかないと、変な方にいくところがありますし、まだまだ自分が学びたいことがありますから。

 指導としては、とにかく基本を重視して、ストレッチやバレエのレッスンも取り入れています。だから最初はすごく進むのが遅い。週1回のレッスンだと1年でセビジャーナスがやっとという感じです。

 クラシコも教えているのですが、そのことで生徒さんも動きが大きくなり、体の芯もできてきます。私の踊りは、それほどフラメンコらしくないと自分で思っているのですが、スペイン人のようには絶対に踊れないわけですし、いろいろな要素を取り入れて、日本人にしかできないフラメンコを追求していきたいです。生徒さんにもそのことを説明して、理解した人に入ってもらっています。踊りをきちんと覚えたい人にはいいのでは、と思うんですけど。

 "先生"としては多分厳しいかな。すごく怒鳴って、という厳しさではなく、挨拶とか礼儀も含めてきちんとすることを大切にしているんです。ミセスクラスはみんな私の母くらいの年齢の方なんですけど、レッスン中はやはり、言うことはけっこう言っていると思います。レッスンが終わると立場が逆転して、可愛がっていただいていますけど。

作品づくりが自分の課題の一つ

 今回の発表会では、私もバタ・デ・コーラとパリージョでシギリージャを踊ります。舞台では初めての挑戦で、気合い入ってます!あと、クラシコを1曲。

 それと、ずっと年に1回のペースで作品を発表することを課題としているのですが、今回もいちばん最後に、ティエントをメインにしたものを生徒といっしょに踊ります。題は「さまよう心」。私自身、いつもフラメンコをやっていて迷うことばかりで、自分が進みたい方向が決まっているようで決まっていない。そのあたりを表現したいと思っています。

 山田先生が創作をされる方なので、その影響を受けたと思うのですが、今後も作品づくりには取り組んでいきたいです。今回が4作目で、それぞれ10分くらいのものなのですが、将来はそれらをトータルでつないで、一つの作品にしていけたらと思っているんです。年齢とともに深みが増すような、そんな踊りを追求していきたいですね。


「発表会では、踊ることの楽しさが見ている方に伝わればと思います」


取材・文 藤戸良彦