第39回

石原理江さん(舞踊家)

 愛知県の中東部、安城市、岡崎市を中心にフラメンコ指導を行っている石原理江さん。地域密着の姿勢が口コミで広がり、今では生徒100人を超える大所帯になっている。6回目の発表会を控えた石原さんに、今回の発表会について、また平素の指導ぶりについてお話を聞いた。


石原理江フラメンコスタジオ
AGUA DE SEVILLA第6回発表会
TIERRA ANDALUZA
〜アンダルシアの大地〜は
2月1日(日)15時から
知立市文化会館で
詳細・お問い合わせはこちら


 発表会は今回で6回目になります。1年から1年半のペースで行っています。出演するのは、フラメンコを始めて1年くらいからの生徒さんたち。始めて間もない生徒さんでも、やる気があって自主練習をしっかりやっている人なら出演していただいています。

 今回のテーマは「TIERRA ANDALUZA〜アンダルシアの大地」。その名の通り、出演する人たちはみんな、大地からの力を感じて舞台に立ってほしいと思っています。音響・照明・演出にも力を入れ、見終った後、テーマに沿った、1つの風景、物語を見たような気持ちになれる、そんな作品にしたいですね。

 私がめざすのは、地域に密着した中でのフラメンコ。楽しくみんなで踊りたい、子供もお年寄りも、皆が気軽に集まって踊る、そんなフラメンコです。生徒は小学生からお孫さんのいらっしゃる方まで幅広いのですが、やはり多いのは20代から30代前半の方。OLさん、主婦の方ですね。忙しいOLさんのために日曜に入門クラスを設け、子どもが小さい方のためには託児サービスも行っています。
 

 4月に安城のスタジオを新築オープンしたんです。アンダルシアの民家風の、とってもかわいい外観です。地域柄、車でレッスンに通う方も多いのですが、レッスンに夢中になりすぎて近隣の駐車場の駐車時間がオーバーしてしまったり、出口が閉鎖されてしまったり…。駐車場からのさまざまな"脱出劇"は、うちのスタジオの名物なんです(笑)

4月に新築オープンした安城スタジオ

フラメンコと存在感と自己表現に魅せられて

 私は学生時代に、大学のそばにある名古屋のスタジオでフラメンコを始めました。とにかく、フラメンコの強烈な存在感と自己表現に魅せられたんです。卒業後は毎年3〜4ヵ月スペインに滞在し、カルメン・レディスマ、マリア・パヘス、トロンボ、リオ・マツモト、マティルデ・コラル、ラ・トナ、マリア・アンヘレス、ファルキートに師事しました。


好きなヌメロはタンゴ・ブレリア。好きなアーティストはやっぱりファルキート。「5月公演がすごく楽しみ!」
 特に影響を受けたアーティストというと、ファルキートですね。あの野生と品性が備わった存在感。踊り始めた途端、まわりの空気の密度が濃くなり、フラメンコのリズムに空気がうねる…。まさに鳥肌ものでした。その空気を共有するだけで、一振りをみるだけで、どんな作品の舞台を観に行くよりも満足感が得られます。とても濃いフラメンコがありました。

 ファルキート・ファルー・マヌエル・アレグリア(ファルキートの兄弟)の誕生日のフィエスタの日、地方公演に行く時に一緒にトラックに乗せてもらったことがあるんです。彼らの生活の一部を共有させてもらうことで、すごくフラメンコについても堪能させてもらいました。彼らにとっては、まさに生活すべてがフラメンコなんだなって痛感させられました。

楽しく、丁寧に、が指導のモットー

 独立しての教授活動は24歳からしています。教室を始めようとは全く考えてもいなかったのですが、数人の友だちが教えてほしいと言ってきたことがきっかけです。その後、口コミで生徒さんが増え続け、気が付いたら100人を超えていました。

 もちろん、フラメンコ未経験の人でも大歓迎です。やる気のある方はもちろん、とにかく楽しんで、フラメンコを大好きになってもらいたいです。打ち込めるものを持っている人は輝いていますものね。そのためにも、私は自分にあるものは、出し惜しみなく持っているものすべてをお教えします。振り中心ではなく表現することを大切に、その人が持っている良い部分を引き出すことを心掛けて指導しています。楽しく、丁寧に。どんな質問にもお答えしますよ。

 今年は、豊田市の人からの要請が多いので、トヨタスタジオをオープンしたいと思っています。あと、自分の活動も大切にしていきたいので、今年は私自身の公演も行いたいと思っているんです。

 私にとってフラメンコとは、自分を表現する手段。踊りにはそのままの自分が出てしまいます。それ以上でも以下でもなく。だから、常日ごろより素敵に生きようって思えます。


発表会は1年〜1年半のペース

取材・文 藤戸良彦