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ホセ・ガルバンが持つ内面的なものも学びたい
ホセ・ガルバンとのステージは、一昨年、東京文化会館で開催された都民芸術フェスティバルでフリーダ・カーロを上演した時が初めてです。この時は1曲20分のシギリージャを共演し、私にとってとても印象的なものとなりました。
その次は今年9月、北海道・旭川における雪の美術館音楽堂でのコンサート。3度目となる今回は、その時のステージをベースにした構成で、新宿のエルフラメンコでの共演となります。私の場合、劇場でのコンサートが多いのですが、今回はちょっと趣も異なり、過去に観に来ていただいた方にとっても、新鮮なものになると思います。

フラメンコのトラディショナルな魅力を堪能できそうなコンサート(写真は01年、都民芸術フェスティバルでのステージ) |
彼は、フラメンコが最も華やかな頃にプロ活動を始め、一座を組んで世界中で活動してきた人。いい時代のフラメンコの息吹きを今に伝えることができる、貴重なバイラオールです。スペイン人は常に新しいフラメンコを求めて革新していくエネルギーがあって当然でしょうけれど、私たち"外国人"は、フラメンコのトラディショナルな部分に憧れて学ぶことを始め、その後も、やはりそうした部分を追い求めていく人も多いと思います。その意味でも、ホセ・ガルバンという人が持つトラディショナルな匂いには、私もずっと関心を寄せていました。
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彼の場合、それは決して意識したものではなく、踊りの中のちょっとした振りにも自然と滲み出る。今は新しいものを学ぶ機会はいくらでもありますが、こうしたことに触れる機会を持つことができるのは、とても貴重な体験になると思います。
それに、彼は伝統的なものだけにこだわっているのではなく、自分の子であるイスラエル・ガルバンやパストーラ・ガルバンともお互い影響しあっている。現在も進化し続けているのです。私自身、今回また舞台を作る上においてご一緒し、勉強できるということは、とても嬉しく、光栄です。ただ踊りの技術や表情、仕種といったことを真似るのではなく、彼の持つ内面的なものも、大いに学びたいと思っています。
「インサイドワーク」重視のレッスン
| 私のスタジオに来る人は、フラメンコを学ぶのはまったく初めてという人がとても多いです。そこで私は、基本的なことを長い時間をかけて教えます。セビジャーナスには1年をかけるほか、舞踊の基礎としてクラシコ・エスパニョールも授業に取り入れています。 |
今回のコンサートでは進化したカスタネット技術を披露する小林さん
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スペイン留学時代にコンセルバトリオ(スペイン王立舞踊演劇高等芸術学校)の公認スペイン舞踊師範資格を取得したのですが、この体験に基づいて、初めての方にもできるだけ偏りのない指導を行っていきたいというのが私の考えです。指導のためのカリキュラムを確立し、私のスタジオの講師は皆、同じ内容のことが教えられるようになっています。
フラメンコを学ぶには、もちろんスペインに行って早く慣れるのがいちばん。でも、ほとんどの人はそういう環境にありません。そこで、通常、週に1、2回レッスンを受けるとして、早く上達するには、よりスムーズに体がついてくるように頭を使う必要が出てきます。つまり、いま踊っている曲のリズムは何拍子で、どういう規則があるかということを、説明して覚えてもらうのです。
私自身も初期の頃に教わったのですが、フラメンコには規則があって、このことを度外視してはできません。語学の文法と同じですね。ですから私のスタジオでは、こうした"規則"についても細かく説明します。説明されることでわかる、ということって、案外多いんですよ。

「フラメンコの規則を覚えることも、上達するための大切なポイントです」 |
もともと、日本人とスペイン人では生活習慣も違いますし、体のつくりも違います。まずは背中を伸ばして良い姿勢をとることが大切で、クラシコを学ぶことはそのためにとても役立つのです。フラメンコ独特のリズム感もそう。とにかく日本人の"生臭さ"を消し去り、踊るための体に近づけることが必要です。 |
せっかくフラメンコ舞踊を学ぶなら、踊りとしてきちんと踊れた方が良いと思うのですが、そのためには、まずはフラメンコ舞踊のベーシックなことを身に付けることが必要です。腰を据えて足を踏む。リズムをしっかりと体で刻む。そうしたことができた人が初めて、新しいモダンなフラメンコに取り組んでいけるのです。
リズムの面白さを実感するという意味でも、カスタネットのレッスンは多めにとっています。今度のコンサートでは、私自身、カスタネットを進化させたものを披露する予定ですので、楽しみにしていただきたいです。
取材・文 藤戸良彦
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