| 発表会は2年に一度のペースです。毎年となると、生徒も発表会での振りを覚えることに追われて、それだけで終わってしまいがちですからね。レッスンでは、発表会のためではなく、生徒一人ひとりが自分のために踊ることが大切だと思うので、私としてはずっとこのペースを守っています。
それに、私自身がそうだったのですが、地方から出てきて東京で一人暮らしをしていると、本当に、踊りを続けていくだけでも大変なことだと思うんです。そのうえ毎年発表会があると、いよいよ経済的にきつい。私のクラスの生徒も、やはり一人暮らしで会社勤めをしている人が多いので、そのへんを考慮して、ということもあります。
今年の発表会には、約40人が出演します。相模原と東村山のカルチャーでも教えているのですが、私の場合、カルチャーの生徒に対しても教室の生徒と同じように教え込むので、発表会には彼女たちもいっしょに出演します。
| 見どころですか?そうですね、私は特に足を重視した踊りが好きで、ふだんのレッスンからそういう指導をしているのですが、その生徒たちがどういう踊りをするか、お楽しみに!といったところでしょうか。たっぷり踊り込んだことで、みんな自信をつけたでしょうし、私自身も楽しみです。 |

好きなヌメロ:タンゴ系が好きです。聴いて好きなのは、やはりアレグリアスとソレア |
フラメンコのレッスンは"できない自分との対峙"
私のレッスンは厳しいかもしれません。「みんなで仲よくフラメンコを楽しみましょう」という感覚はあまりないですね。楽しくというより、とにかくレッスン中はみんなで集中する、という雰囲気です。年功序列といったものはありません。頑張った人が上に行くというシステムを取っています。
フラメンコのレッスンというのは、ある意味では自分との対峙だと思うんです。鏡に向かうと、自分の(踊りの)嫌な部分も見なくちゃいけない。でも、できないのが当たり前で、それをできるように練習するのがレッスンですから、生徒にはそのギャップを楽しむくらいでいてほしいんです。
フラメンコって、リズムも複雑だし、決まりごとも多い。最初の2年くらいはノウハウを覚えるのにかかりっきり、という感じで、始めてすぐに楽しいものではないと思うんです。

好きなアーティストはマヌエル・ベタンソ。「マヌエラ・カラスコといっしょに来日した時に初めて見て。その後、彼がエルフラメンコに出演している時は、私の人生において最も足繁くお店に通いました(笑)」
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だからこそ、自分をごまかして、できたつもりになっていても、あとで自分が辛い思いをするだけ。その意味でも、入門クラスがいちばん厳しいと思います。テクニカのレッスンはかなりびっちりやるのですが、私はいつも、初心者の生徒ほどテクニカのクラスに出るように言うんですよ。
ふだんから、生徒にはいつも「ここでは恥を捨てなさい」と言っています。レッスン中はやれるだけいろんなことをやりなさい、と。レッスン中にできないことは、舞台では絶対にできませんからね。みんな、お給料をやり繰りしてレッスン代を捻出して来てくれるわけですから、私もそのお金に対する見返りをたくさん提供しなくては。だから私も、生涯勉強という思いです。
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音を楽しむ、音と遊ぶ
私が思うフラメンコの醍醐味というのは、1拍の「音」の中でどれだけ楽しめるか、ということに尽きると思うんです。先ほどから足のお話をしていますが、これもその考えの延長にあるものです。
もちろん、足だけを追求するわけではなく、女性らしさという意味では上半身の動きも大切にします。ただ、踊りの構成を考える時、やはり足を使って組んだものになりますね。エスコビージャ(足の踏み鳴らしによるリズムが中心の部分)が長くなるとか。簡単でもいいから、その分、スピードを上げた足使いをするのが理想です。
| また、練習の時ほど複雑な足を試みますね。私としては、これこそが究極の"音の遊び"という思いがあるんです。これは、初めて師事したスペイン人がマノレーテであったことも影響しているかもしれません。そして、もう一人、決定的な影響を受けたのがマヌエル・ベタンソ。彼の場合、足はもちろんですが、体のキレがあって、腕の使い方がうまい!私がいま、最もお気に入りのアーティストです。 |
四谷にスタジオを開いたのは2000年。「場所柄、お勤めの方が多いですね。気軽に見学にいらして、クラスの雰囲気を見ていただきたいです」 |
パレハにおいて私が理想とするのは、男性と足も同等の、男性に助けてもらうのではなく、向かい合い、闘い合うパレハです。今はありませんが、将来は男性クラスも作ってやってみたいですね。
実は、私は今年の発表会で初めて男装して、ソレア・ポル・ブレリアを踊るんですよ。私が思い描く"足"を披露したいと思っていますので、ご興味がある方はぜひいらしてください。
取材・文 藤戸良彦
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