大阪にスタジオを開設して10年。"ルイサ"こと、山内恵子さんの教室で2年ぶりの発表会が行われる。今回は広島から、山内さん"イチオシ"の男性舞踊手を招くとか。飽くなき情熱と愛情をもってフラメンコに接する山内さんに、お話を訊いた。

フラメンコスタジオ・ルイサ
山内恵子フラメンコクラスの発表会は
9月6日(土)16時30分から
クレオ大阪中央で
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 発表会は2年に1回のペース。今年も年齢やレベル、フラメンコに対する気持ちがさまざまな生徒が出演します。

 私も新作のシギリージャを踊るのですが、なんといっても主役は生徒たち。舞台の上で、日ごろの練習の成果を発揮し、それぞれが輝いてほしいです。

 今年は、広島で活躍するバイラオールの稲田進さんに出演していただくんですよ。私が広島出身であることから彼の存在を知ったのですが、それはもう、フラメンコの才能に溢れる人です。彼自身、広島で教室を持っているものですから、東京や大阪で踊る機会も少なく、知る人は少ないと思いますが、ぜひ、そのすばらしい踊りを見ていただきたいですね。

クラシックバレエからフラメンコに転向

 私のクラシックバレエの師が小松原庸子先生にスペイン舞踊の指導を受けておられたんです。19歳のとき、その縁でフラメンコと出会ったのですが、偶然にも「ロシオへの道」という小松原先生の舞台に出させていただく機会があり、そのときのギターと唄に感動し、フラメンコの虜になってしまったんです。

 その後も小松原先生は月に一度、大阪のクラシックバレエのスタジオでの指導を続けてくださったのですが、もう我慢できなくなって、私も定期的にフラメンコを学ぶようになりました。

 やがて、小松原舞踊団の「真夏の夜のフラメンコ」に出させていただくなど、毎年、お金を貯めては東京に行っていたのが、今ではなつかしい思い出です。当時の小松原舞踊団のメンバーというと、岡本倫子さんや草野櫻子さんら、錚々(そうそう)たる顔ぶれだったんですよ。このころには私も、ずっとフラメンコを続けていこうと決めていたと思います。
 

アイレのないフラメンコは考えられない

 自分が人に教えるということはまったく考えていなかったのですが、あるとき、友人に「どうしても」と頼まれて…。気がついたら習いに来る人が増えて、それでスタジオを借りて教えるようになったんです。

 93年から自分のスタジオを持つようになり、現在は桜川にスタジオがあります。あとは堺と狭山で教えています。もちろん、生徒は年齢も職業も性格も違いますけど、みんなそれぞれの生きざまの中で、フラメンコを学ぶことによって輝いていてほしいと願っています。

 私は、フラメンコというのは自分を表現するための一つの"媒体"だと思うんですよ。そのためにも、生徒にフラメンコの本来ある姿を理解し、好きになってもらうのが私の務めだと思っています。私がフラメンコでもっとも大切だと思うことは「アイレ」。アイレのないフラメンコというのは考えられない。このことを、私なりに生徒に伝えていきたいですね。


好きなアーティスト、もっとも影響を受けたアーティストはアンヘリータ・バルガス。
好きなヌメロはソレア、シギリージャ。
「舞踊家・山内恵子」はどのような人?「うーん、表向きは柔らか、でも内面はとても固いものを持つ…ということかな?」

 発表会の後は、スタジオにギタリストのラモン・アマドール、カンタオールのエル・ボケロンを迎えて、11月22日にペーニャを行うんですよ。以前にも行ったことはあるのですが、フラメンコのすばらしさを再認識できる機会として、私もとても楽しみにしています。 

 その先のことは未定ですけど、何か作品づくりに取り組んでいきたいと考えています。関西には独自のフラメンコ風土というものがあり、フラメンコ熱も盛ん。私としても少しでもそれに応えるべくフラメンコに取り組み、盛り上げていきたいですね。


取材・文 藤戸良彦