自ら精力的に舞踊活動を行う一方、指導にも熱心な吉野真未さん。その背景には、「心で踊ることの大切さを生徒に伝えていきたい」という思いがあった。

吉野真未フラメンコ教室
ラ・ベジャの発表会は
7月5日(土)17時から
江戸川区総合区民ホールで
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 劇場での発表会は2年に1回です。自由参加ですが、入って間がない生徒を除き、今年もほぼ全員が出演します。

 今年は初めて男振りに挑戦するんですよ。あと、7人がソロに挑戦します。マントンとバストンを使うところも"見どころ"の一つ。生徒はお勤めの女性が大半なんですけど、みんな忙しい中、最後の追い込みに励んでいます。とても華やかで楽しい発表会になると思いますので、ぜひ観にいらしてください。

 でも、生徒としては人前で踊る機会が2年に1回というのは、物足りないみたいですね。それで、不定期ですが、西日暮里のアルハンブラでミニコンサートを開いたりしています。タブラオに出演する機会が多いというのも、私の教室の特徴かもしれません。

01年4月に行われた発表会のステージ

 私としては、生徒にはできるだけ実践の場でフラメンコを学んでほしいと思っているんです。タブラオの場合、発表会とは違ってギターや唄の人と前もって練習をするということがないですからね。ぶっつけ本番の中で、いかに一体となって素晴らしい舞台を作り上げていくか。フラメンコの醍醐味って、そこにあると思いますし、その喜びを一人でも多くの生徒に知ってほしいんです。

 よく「踊りは心で」と言われますけど、ギター、カンテの方には最高の持ち味を出していただき、踊り手もまた、心で踊って持てる力を出し切る。私が追い求めるフラメンコの理想形は、まさにそこにあるんです。生徒にも、そのことを伝えていきたいと思っています。

 そのためには、ふだんのレッスンでも舞台に立って人前で踊ることを意識して取り組むようになる。椅子に座る時の姿勢や手の置き方、パルマの打ち方など、細かいところもふだんから注意していれば、いざその時になって慌てることはないですからね。

 そうそう、タブラオでのミニコンサート以外にも、この秋にはスタジオ・コンサートを開く予定なんですよ。生徒は初心者クラスの人が多いので、いきなりタブラオというわけにはいきませんけど、こういう場を通じて、人前で踊るということに慣れていってほしいと思います。

いまは生徒に教えることが楽しい

 私自身は、秋にはスペインに行って充電してくる予定です。いつもサンルーカル・デ・バラメーダという小さな町で、ギタリストのマノロ・サンルーカルの家に滞在させていただいて、ヘレスまでレッスンに通うんです。最近は今年9歳になる娘を連れての"子連れ留学"なんですけど、彼女は3年前からアナ・マリア・ロペスにレッスンを受けていて、いまフラメンコが楽しくてしようがないみたい。最近はブレリアの入り方などタイミングを理解してきたようで、子どもの呑み込みの早さには驚いています。私が言うと"親バカ"になりますけど(笑)。


好きなアーティスト:マノロ・サンルーカル、マノレテ、エル・グイート、ラ・トナ、ミラグロス・メンヒバル、マリア・パヘス。大勢います…。
好きなヌメロ:自分で踊るのはソロンゴとソレア。聴いて好きなのはシギリージャ

 今の私にとっては、生徒に教えることがすごく楽しく、充実しています。教えることで、私自身も多くのことを学べますから。でも、やっぱり舞台に立って踊るのも楽しい(笑)。今年の発表会では、好きなヌメロであるソロンゴを踊るんですよ。

 クルシージョを受けたりすると、すごく楽しくて毎日がワクワク気分です。気持ち的には指導者としてのウェイトが高いですけど、バイラオーラの部分も常に残しつつ、私自身、もっと素晴らしいフラメンコを踊れるようになりたいと思っています。




取材・文 藤戸良彦