大阪有数のオフィス街、中央区平野町にスタジオを持つごとうけい子さん。元ミス日本でモデルという経歴を持つだけに、「見せるフラメンコ」の指導にも力を注ぐ。5月24日に迫った発表会を前に、お話を聞いた。

ごとうけい子フラメンコ教室
エストゥディオ プリマベラコンサートVol.4は
5月24日(土)18時から
大阪厚生年金会館芸術ホールで
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 発表会は3年に1度のペースで開催しています。ふだんのレッスンでは1曲をとことん追求することをモットーとしており、たとえば振付けの後の踊りこみを徹底的に行うなど、"じっくり追求型"です。3年間、生徒たちが積み重ねてきた練習の成果を見ていただきたいと思います。

 毎回、衣裳にはたいへん気を使っており、ランタンを持ったタラントや、バタ・デ・コーラ、マントン、パリージョの古典的なスタイルのシギリージャなど、おかげさまで好評のようです。

 出演は学生からOL、主婦の方までさまざま。場所柄、生徒は特にOLの方が多いですね。今回は68人が出演します。もちろん、初心者でも希望する方は出演してセビジャーナスを踊るんですよ。

ヘレスのアイレを伝えていきたい

 私は1980年にスペインを旅行したときに、フラメンコと出会いました。日本で研鑽を重ね、88年にマドリッドのアモール・デ・ディオスに初めて留学したときは、映画「カルメン」に出てきたスタジオに自分がいて、ビデオでしか見たことのない踊り手たちがいるというだけで、とても衝撃を受けました。当時は日本にはスタジオもそれほどな

発表会では毎回、衣裳が好評
かったですし、スペインに来るのも最初で最後かもしれないという思いから、とにかく毎日、ものすごく練習しました。

 結局、その後10回くらい渡西しているんですけどね(笑)。特にヘレスは、町もフラメンコも私のお気に入りで、私のフラメンコ人生における"第2の留学時代"をヘレスで築きたいと思っているほどです。フラメンコについて私は、日本では基礎的なこと、マドリ時代はテクニカ、ヘレスではアイレを学んだと思っています。

 特にベレン・マジャには影響を受けました。まだ、今のモデルノではないころの彼女ですが、私のとても好きなスタイルの踊りだったので、一時期、スペインに行くたびに彼女のところに通いました。考え方や、ちょっと神経質なところが私に似ているような気がしたんです。

 とても頭のいい人で、踊りの構成や教え方が上手なんです。いまの私の踊りのスタイルは、まさにベレン・マジャに作られたといっても過言ではありません。いま私は特にモデルノを追求しているわけではないのですが、彼女の技術やアイレを伝えることはできます。私が培ってきた"ベレン風の踊り"を。発表会でも、それは随所に感じていただけると思います。

教室を持ったきっかけはレッスン・スタジオの騒音?


スタジオでのレッスン風景
 実は私、スペインに学んだ当初はフラメンコでやっていこうなんて思っていなかったんです。日本に帰ってからも踊りは続けていたのですが、当時はモデルの仕事が忙しかったですし、ただ自分でスタジオを借りてレッスンに励む毎日だったんです。

 それが偶然、何人かに頼まれて踊りを教えたのがきっかけで、どんどん生徒が増えてしまって…。私としては、大阪にはたくさんの先生がいらっしゃるし、自分が人に教えるなんて恐れ多くてできなかった。でも、私の踊りの師であるマリサ先生と、先日亡くなられた「スタジオ・ペパ」の石川敬子先生にご相談して、教えることに決めたんです。自分にけじめをつける意味でも。

 それでも、「自分でスタジオを持つと、フラメンコに対するポリシーがなくなる」と思っていた部分もあって、スタジオを借りて教える、という時期が長かったんですよ。けっこうのんびりペースだったんです(笑)。

 ところがある日、借りていたスタジオの音があまりにうるさくて、隣人に怒鳴られてしまったんです。そして、「今すぐに出て行ってほしい」と。

 生徒たちは「音を気にせず思い切り練習したい」と言いますし。そういう場を作るのも私の仕事なのかなと思うようになって、それで今のスタジオを作ったんです。98年のことでした。

日常のあらゆるシーンがフラメンコそのもの

 モデルの仕事は、今はフリーで月に1度だけしています。それは、ふだんの踊りのレッスンでもウオーキング、ポージング、表情などを指導するなど、生きていると思います。ふつうフラメンコではしないそうしたレッスンも、人に見られるという点では共通していると考えているのです。また、体作りのため、ストレッチとバーレッスンには時間をかけます。およそ30分は行いますね。「いつも美しく」がモットーでもあるんです。

 私にとってフラメンコとは、人生という舞台で踊っているようなもの。時間、感情、生活など、あらゆる

お気に入りの町ヘレスで
好きなアーティスト:ホアキン・グリロ、アントニオ・エル・ピパ、ホセ・メルセー、モライート・チコ…たくさんいます!
好きなヌメロ:ソレア・ブレリア
特に影響を受けたアーティストはべレン・マジャとアナ・マリア・ロペス
シーンがフラメンコそのものという思いです。年をとっても、どんな形であれフラメンコに携わっていたい。スタジオの目標としては、今後、舞踊団を充実させて生徒たちに活動の場を増やしてあげたいと思っています。これから生徒として入ってくる人たちには、まっすぐにフラメンコが好きでいてほしい。そんな人を歓迎したいですね。


取材・文 藤戸良彦