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今までは教室の生徒と合同の発表会形式でしたが、舞踊団単独の公演は今回が初めて。フラメンコのヌメロを次々に踊っていた発表会と違い、今回は第一部で「テーマ」と「ストーリー性」のある創作フラメンコに挑戦することにしました。
創作フラメンコは初めての試みなので、苦労がいっぱいです。ストーリーやメッセージをできるだけちゃんと伝えたいと思っていますので、そのためにいろいろと工夫というか、苦心しています。
ふだん踊っているのとは違う切り口で、動きとか振付けを考える必要を感じていますし、同時に、フラメンコから離れてしまうわけにもいかない…。でも、伝えたいことはできるだけちゃんと伝えたい。これが芝居や演劇であれば台詞(セリフ)に頼ればよいのでしょうが、逆に踊りだからこそできることもあると思っているんです。また、見ている方により伝わりやすいように、衣裳や照明や舞台装置にも工夫を凝らしているんですよ。
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出演はギターに高橋紀博さんを迎えるほか、クアトロ・カミーノの石塚隆充さん、沖仁さん、吉田光一さん、さらに高岸弘樹さんといった豪華な顔ぶれ。素敵な演奏と唄も楽しんでいただけると思います。
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好きなヌメロはソレア、シギリージャ、アレグリアス
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何かを始めることが「点」、継続することが「線」
「点と線」という公演名は、「一つの点がどんどんつながって線になる」というイメージで名付けました。私が岡山で一人でフラメンコの活動を始めたことが「点」なら、少しずつ理解してくださる方が増え、人の輪が広がってきたことが「線」といえると思います。今回、台本を書いた池上源太朗さんの言葉によれば、「何かが始まる時、生まれる場所、そして集うところ、それが点。続けていくこと、育んでいくこと、大切な人たちと時間を重ねていくこと、それが線」とあります。
何か新しいことを始めること、地道に続けていくことの大切さ。でも、それは一人ではできない。仲間や友人、自分の大切な誰かとともに歩いていくことの尊さ。それが一つのテーマです。
ただ、その反面、人が集えば揉めごとがついてまわるのも現実。その時は揉めたり、ごちゃごちゃして悲しかったりしても、強く乗り越えていく逞しさが必要ですよね。これも、もう一つのテーマなんです。
だから、この作品は私と私の舞踊団がモチーフにはなっているのですが、決して自分史や舞踊団史を語るものではありません。フラメンコに関わっている人に限らず、観に来ていただけるすべての方への普遍的なメッセージになれば、と願っています。
「点と線」には、「一本に見える線も実は点の集合からなる」という意味も含まれているのですが、点の一つ一つがそれぞれ誰かの存在で、それが一つの場所に集って何か楽しいことが始まる…私にとって、フラメンコはそういうイメージなんです。
フラメンコって、今では表現方法も解釈の仕方も多彩ですが、根っこの部分ではとても原始的な音楽だと思うんです。フィエスタのあり方、始まり方や雰囲気とか。あのような温かさや親密さというのは、現代に生きる人へのメッセージになるんじゃないかって。ちょっと大げさかしら…(笑)
衝撃的だったフラメンコとの出会い
私とフラメンコとの出会い…。それはアントニオ・ガデスの映画「カルメン」です。ものすごい衝撃を受けたんです。85年のことでした。
その年に小松原庸子スペイン舞踊研究所に入所し、その後、舞踊団員となりました。活動の中でビクトリア・エウヘニア、エル・グィート、マノレーテ、ミンブレらの指導を受けたり、アントニオ・カナレス、ホアキン・コルテス、ファミリア・フェルナンデスといった一流アーティストと同じ舞台を踏んだことは、すごく勉強になりましたね。また、単身留学中はマノロ・マリンやラ・トナ、ベレン・マジャに師事しました。
岡山で教室を開いたのは93年の10月。舞踊団は95年5月3日に結成し、現在、団員は8人です。舞踊団の活動としては、発表会やフラメンコライブのほか、イベント出演、地元のTV・新聞等でのフラメンコの発表、紹介といったところです。
カルチャーの教室で教え始めて1年くらい経ってでしょうか、生徒の中でも取り組み方にかなりの温度差というか、上達の仕方に差が付いてきたことに気づいたんです。そういう人たちを一緒の教室で教えていくよりは、分けた方が生徒たちにとっても私にとってもよいことだと思ったのが、舞踊団設立のきっかけでした。
心の引き出しに材料を蓄えることが大切

好きなアーティストはベレン・マジャ!私のフラメンコ人生の最大の師匠なんです。あとはジェルバブエナも好き。 |
教室の方はいま、20代から60代までの女性(男性も1名!)がいます。基本的にフラメンコが好きで、休まず熱心に稽古する人、人としての思いやり、協調性を持った方を歓迎したいですね。8月10日には舞踊団とは別に、教室の発表会を行うんですよ。今回で7回目になります。 |
いまはどちらかというと、指導する立場にウェイトを置いています。踊りにはその人の人間性や感性が表れるもの。生徒にはフラメンコの指導だけではなく、授業態度や身だしなみなどをきちんとすることや、ふだんの生活でもいろいろな芸術を観たり聴いたりして、心の引き出しに材料をたくさん蓄えるようにと話しているんですよ。
岡山は東京、大阪といった大都市に比べるとフラメンコ人口もとても少ないですし、習う人もあくまでも習いごと、余暇の楽しみ程度に関わっている方が多いように思います。でも、中には大阪までスペイン人のクルシージョを受けに行くという熱心な方もいますよ。
舞踊団公演は、今後1年半から2年に1回くらいのペースで重ねていきたいと思っています。できれば、純粋な舞踊としてのフラメンコと並行して創作フラメンコも追求し、取り組んでいきたいです。
取材・文 藤戸良彦
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