江戸川区新小岩を基盤に、"地域密着"の教室運営を実践する鴨下和美さん。踊りが好きでたまらないという鴨下さんに、直前に迫った発表会のこと、ご自身のフラメンコへの取り組みのことなどを語っていただきました。

 

FIESTA DE IRIS Vol.4
鴨下和美フラメンコ教室発表会は
12月15日(日)18時から
江戸川区総合文化センター小ホールで
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 発表会は2年に1度のペースで行っており、今回が4回目になります。今年は舞台構成に力を入れ、監督と照明を専門の方にお願いしました。舞台に立つ生徒さんたちはプロではないけれど、見ている方が飽きないような、シンプルな中にも転換の早い、ショー的要素の強いステージにしたいと思って取り組んでいます。

 基本的には、全員参加です。習い始めて半年たたない生徒さんも、セビジャーナスで参加するんですよ。今年はカルチャーのクラスからも初めて参加します。年齢は5歳から80歳まで。生徒の層が幅広いのが、イリスの特徴ですね(笑)。

 毎年恒例の江戸川区民祭りのほか、学校訪問や自治会の催しなど、地域イベントへの参加も本当に多いんです。"地域密着"がウリですから(笑)。生徒さんにとっては、それだけ発表の場が増えることになるし、今後も続けていきたいと思っています。

ボランティアのライブ出演者、募集中!?

 私は子どものころから、モダンバレエや日舞など踊りをずっとやってきたんです。とにかく踊ることが好き。フラメンコを始めたのは短大卒業以降、さまざまな踊りを経て、小島章司先生に師事しました。スペイン留学中は、フラメンコ専門誌「パセオ」で連載コラムを書かせていただいていたんですよ。

 今までに踊りをやめたいと思ったことはないですね。もちろん、スランプの時期はあったけど。はじめのころは、いろんな踊りのイベントに出たくてしかたがなかった。あと、スペインでフラメンコを勉強したくて、毎年のように渡西していました。

 教室を開いて9年になりますけど、人に教えることによって自分自身も成長するんだと、最近つくづく思います。生徒に教えていて気がつくことも多く、助けられたこともずいぶんありました。

 発表会が終わって落ち着いたら、私自身の活動の場を増やしていきたいですね。フラメンコを見せる場をどんどん作っていきたいです。フラメンコって、すごく閉鎖的なイメージがあるでしょう?知らない人はみんなの輪に入っていけないような。

 そうではなくて、フラメンコを知らない人、初めて見る人も自然と入っていけるような、そんな場が増えればいいなと思っているんです。これはもちろん、私一人ではできないですけど、そのためにも志を同じくする活動の仲間を増やしていきたいですね。さっきお話した地域イベントにしても、中にはボランティアのお仕事もあり、特にギターや歌で出演してくださる方がいらっしゃれば、ぜひ一緒にやらせていただきたいと思っています。

「フラメンコを踊ることの楽しさ」を伝えていきたい


師と仰ぐラウール氏と

好きなアーティスト:今はマリア・パヘス!あと、師匠でもある故ラウール。彼からは踊りだけではなく、人間的にもいろんなことを学ばせていただきました。
好きなヌメロ:タラント=ずっと踊りたいと思っているけど、まだ未完のままです。ティエント=好きで、ずっと踊っています。
フラメンコをやっていなかったら?:とにかく踊りが好きだから、何か別の踊りをやっていたと思います。アルゼンチン・タンゴとか。

 フラメンコって、どうしても、眉間に皺寄せてっていう(笑)イメージばかりが先行してるのだけど、楽しい要素もいっぱいあると思うんです。もちろん、それだけじゃないですけど。この夏、マノロ・マリンのクルシージョを受けたんですけど、彼も同じようなことを言っていました。「暗いイメージの踊りばかりじゃなくて、楽しい踊りもいっぱいあるんだよ」って。

 私もふだん、生徒さんに同じことを言っているんです。「フラメンコを踊ることはこんなに楽しいのよ」ということを、実践しています。マリア・パヘスの来日公演を観た方も多いと思うけれど、彼女のフラメンコのステージって、すごく楽しいですよね?笑いの部分もあるし。私、ああいうフラメンコが理想なんです。

 もちろん、そこには踊りの技術や舞台づくり、音づくりのセンスがすごく要求されるわけですが、彼女のあの粋な、グラシアのある感性がとても好き。フラメンコを知らない人にも楽しんでいただける、そんなライブをやっていきたいんです。

 私の理想は「コメディ・フラメンコ」かな(笑)。もちろん、プーロな部分は大切にしますが、新しいことをどんどん取り入れて、新しい仲間を作っていきたい。そう思っています。

2003年、"ネット・レッスン開始"?

 新しい取り組みという意味では、イリスはずいぶん斬新なことをやってきているんですよ。託児フォロー付きのクラスを設けたのも、その一つ。子どもが小さいためにフラメンコを習えない人や、以前は習っていたけど子どもを産んでからなかなか復帰できない人って多いなあと思って、スタッフに保母さんの資格を持つ女性がいることから、始めました。


著書「フラメンコ女大地に立つ」を前に。「フラメンコだけでなく、スペインの紀行文としても楽しめますよ」

 あとは幼稚園児から小学校低学年を対象とした子供クラス。忙しいOLの方向けの土曜クラスも始めました。どれも、フラメンコを踊る人の裾野を広げる意味では必要性があると思うんです。

 実は、もう一つ、"目玉"があるんですよ(笑)。イリスでは教室のホームページにも力を入れているのですけど、来年から"ネット・レッスン"を始めようと、いま計画中です。

 これは、フラメンコのレッスンに通えない人のためのもので、ホームページの画面を通じて練習できる、というものです。手の動きなどはある程度、覚えられると思いますよ。足は音がすごいから無理ですけど(笑)。もちろん、これでフラメンコの踊りをマスターできるわけではないけど、あとは定期的に講習会を開いて学んでもらおうと思っています。

 とにかく私は、フラメンコに興味を持った人にはできるだけ多くの学ぶ機会を作ってあげたいと思っているんです。そして、フラメンコを学んでいない人にもフラメンコを見てもらいたい。今までやってきたことを続けると同時に、今後、新たな活動に取り組んでいくつもりです。


取材・文 藤戸良彦