こんにちは。日本のお天気はどうですか?ヘレスの今日の日差しは初夏のようでしたよ。

 2月27日から3月11日まで、ここヘレス・デ・ラ・フロンテーラでは、第7回フラメンコフェスティバルが開催されています。超有名アーティストによる講習やフラメンココンサートが、日に2つも3つもあるので、世界各地からフラメンコファンがヘレスに集まっています。人口18万のこの地方都市の人口密度が一時的に高くなり、住んでいる者にとっては、少し息苦しさを感じる時期でもあります。

 私は、東京からヨーロッパの田舎国スペインへと渡り、首都マドリッドに半年間滞在、そして南スペインのセビージャへ移り2年を過ごした後、更に南下してヘレスには5年目。と、少しずつ都会度を下げてきました。すっかり田舎者になったせいか、まだフェスティバル半ばなのに、最新フラメンコに連日触れることに少し疲れを感じ始めてしまいました。

 それなので、そのストレスから逃れるため、今、ホテルのカフェテリアにパソコンを持参し、1人でソファに座って、生ピアノ演奏を聞きながらこれを書いています。

 わーい、なんて贅沢な時間!そして、なんてほっとすることでしょう!1杯250円くらいのカモミールティーを飲み飲み、1人の時間を楽しんでいます。いつもはカフェ・コン・レチェを頼むのですが、今日はリラックスしたいのでハーブティーにしてみました。


 スペインには「バル」と呼ばれるドトールコーヒーと大衆居酒屋をミックスしたようなサービスをする飲食店が町のあちこちにあり、市民の交流の場になっています。飲み物はコーヒーからウイスキーまで。単に飲食を提供するだけではなくて、井戸端会議をする空間なので、バルのオーナーとお客さんは友達です。

 友達に飲み物をサービスするとなれば、その人の好みに合わせますよね。何飲みたい?ジュース?紅茶?コーヒー?濃いの薄いの?って感じに。そう、だからバルでコーヒーを頼むときには、いろいろ自分の好みを注文できるのです。でも、スターバックスのようなバリエーションではありません。基本的にコーヒー豆の種類は1つだけなのですが、こんな風に変化します。

 スペインではコーヒーといえばエスプレッソ。「カフェ・ソロ(ソロコーヒー)」はエスプレッソのブラックです。それにちょっとだけミルクが入ったのが「カフェ・コルタード(ショートコーヒー)」。みんながよく飲むのは「カフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)」という日本でいうところのカフェオレ、コーヒーとミルクが半々くらいです。そして「カフェ・マンチャ―ド(汚れたコーヒー)」はカフェ・コン・レチェよりもミルクが多くなったコーヒー。もっとミルクいっぱいのは「レチェ・マンチャーダ(汚れたミルク)」。

 そしてこのミルク自体もセミ・デスナターダ(低脂肪牛乳)、またはデスナターダ(無脂肪牛乳)に変えられます。更にこのコーヒーに加えるミルクの温度も、冷たいのか、人肌程度か熱いのかが注文できます。カフェイン抜きコーヒー「デスカフェイナード」もあって、挽いた粉でいれるタイプと一回分の袋に入ったインスタントのとがあります。

 それからコーヒーを注ぐ器も、コーヒーカップか耐熱グラスか選べます(中身は一緒なのになぜ器を変えるのか私は知りません。今度聞いときます)。そして、これ全部同じ値段(ソロコーヒーを除く)。たぶん、もっといろいろ注文できると思いますが、私が知って るのはこれくらい。常連客ではない初めてのお客さんでも、問題なく頼めます。

 日本ではこんなに細かな個人的注文を受け付けてくれる喫茶店は少ないですよね。これらのコーヒー名はメニューに載ってません。載っているのは、カフェ(ソロのこと)とカフェ・コン・レチェのみです。

 「メニューに全種類載せないなんて不親切」なのではありません。ここでは「お客様は神様です」と店員が頭を下げる接客をしない代わりに、個人のわがままを最大限受け入れるというサービス精神があるわけです。

 今、ピアノとハーブティーとくるみのケーキと1人の時間とで、とっても気分いいのですが、そろそろフラメンココンサートの時間です。まだここにいたいけど、もう行かないと。さて、へし折れたサイドミラーをガムテープでくっ付けた車に乗って、さっそうと劇場に向かうとします。


数日前、妹が1歳になったばかりの姪っ子の写真を送ってくれた。それを見た瞬間、あまりにも愛らしくて「きゃー」と叫んでしまった。同封の手紙によると「パイパイのお客様」と妹が聞くと、「ハイ!」と手を挙げるそうだ。めちゃくちゃかわいい!こういう幸せが世の中にはたくさんあるはずなのに、なんで戦争にたどり着いちゃうのかな。