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私が今住んでいる家は、1890年に建てられたらしい。市の歴史建造物保護計画の指定範囲内ではあるけれど、家自体の質は決してよくない。1970年に1度改装したそうだが、それからでもすでに30年は経ってるから、使い勝手としてはいまいちだ。
3ヶ所ほどきちんと閉まらない扉や窓があるし、雨漏りも数ヶ所でする。こっちの冬は雨が多いので、パティオ(中庭)の壁には緑の苔が出てしまう。このような古い家は、日本ではあまり見かけなくなったけれど、うちの近所にはたくさんある。まさかここには?!って感じの家にも、まだ人が住んでいる。
だから、ちゃんと(?)空家になっている建物にいたっては、ほんとうにボロボロだ。毎年この雨の時期になると、天井の一部が落ちたという話を聞くことは、珍しくはない。いったいどんな構造なのだろう、と疑問が湧いてしまう。
家の主な素材は、レンガとセメントなのだが、以前こんなことがあった。5年前スペイン人の友達と同居していたときのこと。ある日、家に帰ると、サロンの今までの入口がレンガで塞がれていて、代わりに壁だったところに大きな穴が空いていたのだ。
かなりびっくりした。そのスペイン人は友達と2人だけでその工事をやっていた。しかも両人とも女の子である。電気のスイッチの位置までも変わっていた。木材を使った日本の家屋の場合だったら、素人は簡単に手が出せないだろう。家を支える大事な柱が、壁に隠れているから、むやみに穴は開けられない。でも、スペインの家は、その重さを外壁で支えているので、細かい内部の仕切り壁が変わっても、さほど影響がないそうだ。
ヘレスの私の家も、住み始める前に軽い手直しが必要だった。ペンキを塗ったり、屋根に生えた草をとったり、自分たちが出来る範囲で修復した。彼がサロンと寝室を仕切った壁を見て「この壁要らないね。後からつけたみたいだし、とっちゃおうよ」と言った。
私は「えええー!とっちゃおうって、どうやって?そんなことやったことないよ」とうろたえた。そして、彼は友達から大きなハンマー(専門用語で何というか知らないが)を借りてくると、おもいっきりその壁にうちつけた。破片が飛び散り、レンガ3つ分くらいの穴が開いた。しばらくその様子を見ていたのだけれど、なんだかおもしろそうだったので、私もやってみた。思ったほど力は必要なく、短時間でその壁は全壊した。壊すってけっこう快感、というのが感想。
この作業をしたのが約2年前。また雨期がやってきた。大雨になると、廊下に雨漏り用のバケツを置く。ベランダのタイルの隙間から草の芽が生えてくるのを引っこ抜く。パティオに剥げ落ちた外壁のペンキのくずを掃く。また小工事をしないとなあ、と考えながら。

| 先日、4日間の連休中にモダンダンスの講習会があるというので申し込んだ。初日に傘を差してスタジオまで行くと、ドイツ人の先生がしょんぼりしているんだよね。どうやら、来ると言っていた生徒が何人もキャンセルしたらしいんだ。結局、私を含め2人しか集まらなかったので、このクラスは取り止めになってしまった。スタジオのオーナーは、ここら辺の人たちはその日の都合で動くからね、と嘆いたよ。都合とは例えば、休日だから、とか、雨だから、とか。または、平日だから、とか、晴れたから、とか。 |
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