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こんにちは。ご無沙汰です。去年6月のヘレスでの結婚以来ですね。
さて、その後の私ですが、7月に日本に戻り、8月末から9月の始めにかけて主人(フラメンコギタリスト)と、フラメンコライブツアーをやりました。とーっても忙しい夏が終わり、秋からは東京を中心にクラスなどを開いて過ごしています。今回は、約9年ぶりに日本に長期滞在します。2005年の4月までの予定なので、約10ヶ月です。
東京に9ヶ月いる間に「スローライフ」というテーマにはまりました。ヘレスでの生活は、まさにスローなので、誰も「スローライフ」などと口にする人はいませんが、東京はかなりビジーだからこそ、逆にスローなんて言葉がでてきて流行ったりするんでしょうね。
夏のツアーには、ヘレスのフラメンコアーティスト2人を招待しました。だから、東京ビジーライフに対する「こんな生活ってなんかおかしいかも?」の疑問が、このスローな2人の行動や言動から浮かび上がってきました。
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まず、彼らを新宿見物に連れていきました。夜のネオンに「スゲー!スゲー!」と記念写真撮りまくり。カメラを構えるには、当然道端で立ち止まることになりますよね。すぐ後ろにひっつくように人がうようよ歩いているのが都会です。
彼らが、一瞬立ち止まると、後ろから来ていたおじさんが即座に「チッ」と舌を鳴らす。なんだかものすごい大きな失礼をしでかしたかのような反応です。ヘレス人たちは、なぜそういう態度をされるのか全く分からないから、きょとんとしてしまいます。ヘレスではお祭りのときくらいしか、人とくっついて歩くときはないですし、ベルトコンベア−のように同じ方向に人が大量に移動することもありません、あったとしても、このおじさんのような反応はありえないなあ。
2人は日本食が食べられないから、イタリアレストランに入りました。
「スパゲッティトマトソースがいいな」、メニューには写真が載っています。トマトソースにはトマト以外の具が入っているのが分かります。
ヘレス人「トマトだけ(他の具の入らない)のソースがいいんだけど」
私はそんなのはないだろうと思いつつもお店の人に質問します。
当然答えは「ありません」「できません」
私にとってはあたりまえの答え。
仕方なく具を全てよけて食べる彼ら。
「なんで日本には、いろいろ複雑なものはあるのに、トマトだけっていうシンプルなものはできないって言うんだ?」とつぶやきながら。
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各ライブの後には、毎回打ち上げがありました。夕飯兼、飲み会兼パーティーです。
私たち日本人は、事前にお店を予約するために参加者の人数を決め、始まりと終わりの時間を決め、料理を決め、料金を決めます。日本人の私は、このような打ち上げを普通に繰り返していました。
ところが、東京新宿でのライブの打ち上げ場所を決めようとして、私が彼らに「今夜は何が食べたい?」と質問すると、「MAKI、お願いだからもう事前に決めないで。はじめから計画された打ち上げはもういいよ。そのときの気分でいこうぜ!終わった後に、一緒にいたメンバーとそのときに食べたいものを決めればいいのさ。インスピレーションだよ!」
私は少し不安を感じました、新宿の街を大勢でうろうろするはめになりはしないかと、でも「それもいいか」と思い、承諾しました。
ライブが終わり、楽屋に訪ねてくれるお客さんと話したり、後片付けをしたりして1時間半くらいが経ち、「さあ、打ち上げだ」という段階で、大びっくり。私たちライブ出演者5名以外、誰も残っていなかったのです。
今までの打ち上げは、いつも20人くらいいました。毎回大勢でパーッと盛り上がりました。それなのに、今夜はゼロ人!これはさすがの私もびっくり。東京で「無計画」を実践するとこうのなるのか!ってね。
事前にスタッフや仲の良いお客さんに、打ち上げの時間と場所を言ってあれば、参加者ゼロということはなかったでしょう。みんな予定してくれたはず。私も驚いたけど、ヘレス人の彼らはかなりびっくり。全く想像できなかった結果でしょう。
だって、ヘレスでの打ち上げは、いつもその場のノリで決まっているのですから。やるかやらないかも分からないし、誰が来るかも分からない、どこへ行くかはそのときの気分です。いつ始まるか未定だし、終わる時間なんか初めから誰も聞きもしません。
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私たち5人は、なんとも寂しい気持ちを隠しつつ、スペイン料理屋に行きました。おしゃべりしながら食べ、彼らがちょっと歌ったりして、その夜はタクシーで帰宅しました。今思えば、あの夜は誰もが少し見栄を張って、楽しそうなふりをしていたような気がします。
彼らは、帰国するころには、いらないと断っても、絶対に付いてきてしまう朝食セットのサラダと玉子にも、お店の人にいちいち注文をつけなくなりました。
「もう分かったよ。何も言わずに、ただ残せばいいんでしょ」ってね。
そして3週間後「日本でのライブツアーはいろいろ楽しかったよ、また来るさ」と言い残して無事スペインに帰っていきました。だけど、私の中では「?」のマークが大きく残りました。
東京での私はいつも忙しい。駅の自動発券機の前では購入に5秒以上かからないように急ぎ、発車ベルがなっている(すぐに次の電車が来る)山の手線に飛び乗り、頭の中で乗り換えのルートを計算し、3分遅刻と携帯メールを送り、、、。
だから、今年からはこの「?」にちゃんと向き合おうと思って、長かった髪をばっさり切りました。マイナス35センチ!今後の私のテーマは「スローフラメンコ」、ただの流行に終わらせるのではなく、本気でスローになろうと思っています。
「スローになるぞー!」と肩に力が入ってちゃしょうがいないんだけどね。
先日、ホームで新幹線が来るのを待っていた。そこはちょうどゴミ箱の側。時間どおり電車が着いた。たくさんの乗客が降りてくる。みんな車内で食べたもののゴミを手に持ってね。そして、彼らはホームのゴミ箱に近づくと、缶、ペットボトル、新聞雑誌、その他のゴミ、の表示どおり自分のゴミを選別して捨てていった。それを見ながら、さすがだなあ、日本人!と感心したよ。これはきっと、スペイン人には真似できないだろうな。
※飯塚真紀さんは現在、日本に帰国中。夏以降の日本でのライブ、クルシージョについてはこちら、またはJスパ!エンターテインメントをご覧ください。 |

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