友達(A)に誘われて、フラメンコ舞踊の少人数クラスを受けた。

 しかし、このクラス、なぜか問題が絶えなかった。初日のクラス終了後に先生が「もうひとり入りたいっていう人(B)がいるんだけど、いいよね?」と聞いてきた。

 この少人数クラスを企画した女の子Aが「それは約束違反だわ、4人までのはずでしょ」と反発(4人で週2回2ヶ月間、という条件のもとにひとり当たりのクラス料金を設定していた。生徒がひとり増えれば先生は儲かるが、生徒にとっては細かくみてもらう時間が減る)。

 先生「4人も5人も同じだろ」
 A「いいえ違うわ」
 先生「同じだ!」
 A「違う!」

 、、、結局、Bが別の少人数クラスを新しく企画すればいいじゃないか、というAの意見が通った。この翌日、私に電話が2本。クラスに入りたかったBと、Bによる新クラスに誘われた子からだった。私たちA企画のクラスの様子を知るためだった。

 2日目のクラスのとき、この2本の電話のことをAに告げた。すると「なんで私じゃなくて真紀に電話するわけ!」と怒る。そして、レッスン後にAは「先生の指導法に納得いかないし、私がやりたかったようにできないないからもう続けたくないわ」と言いだした。あなたたちも一緒にやめましょうよ、というニュアンスで。私と生徒C、生徒Dの3人はクラスを続けたかった。だから話し合いをして「とにかくもう1回は様子をみよう」ということになった。

 そして3日目。前回よりも先生が熱心に指導してくれたのでAも満足し、「これなら私も続けるわ」という結論になって4日目になった。この日は、生徒Cの10歳くらいの娘が見学しにきて、後ろに座って見ているだけのはずが、一緒に踊りだしてしまった。

 その次のクラス、Aが「仕事が忙しくなってきたから、やっぱりもうクラスを続けられない。あなたたち(私、C、D)は続けたいなら好きにして」と言う。先生がAに「仕事なのは仕方ないが、生徒4人で2ヶ月間は続けると約束したはずじゃないか。僕は、生徒を増やさないという約束を守った。なのに、君(A)は自らやめていく。この矛盾が分かっているんだろうね」と反論。

 A「だって仕事なんだからしょうがないのよ」
 先生「そうだよ、個人の事情は変わるんだ。だから僕も人数を増やす提案をしたんだ」

 A「その件とこの件は違うわ」
 先生「違わない」
 A「違う」
 先生「違わない」

 、、、結局、Aも先生もそれぞれが「もう絶対に彼のクラスは受けない!」「もう彼女には一生教えない」とまで怒ってしまった。

 こうして、Aなしでの初クラス。Cの娘がまた見学しに来た。踊りの好きな娘はまたもや一緒に踊った、つまりは習った。クラス後、先生が「これでは無料で教えるのと同じだから、もう見学はしないか、ひとり分の料金を払ってくれ」と言う。

 親のCは「この子はこのクラスがとっても好きなんです。でも、うちの家計では2人分も支払えません。そこのところ分かってもらえないでしょうか?」

 私、Dも交えて検討する。そして、踊る見学者とはつまり生徒同然だ、ということでCの娘の見学は却下された。

 私は「なぜこんなにも毎回毎回クラス後に話し合いをしなくちゃならないんだろう?」といらいらした。

 次のクラス当日、Cから電話。

 「夫が具合悪くて、今日はクラスに行けないわ、先生に言っておいて」

 固定制4人クラスとして始まったのに、この日はとうとう2人になってしまった。私とDにとっては同料金だから得だけど、先生の収入は半減。

 先生「これでは困るよ。次は休まないように言っておいてよね」

 先生が帰った後、いつものように習ったステップをDと一緒に復習しようと思ったら、D「今日は2人だけだったからよく分かった。今日は自習は必要ないわ。私、すぐ帰る」と言う。Dが帰るなら私も帰る。だってこの一緒に復習する時間を作ったのは、一番理解している私がAとCとDを手助けするのが目的だったのだから。私たちは、スタジオ予約をドタキャンした。

 次のクラス当日、またCから電話。

 「今日は姉の誕生日なの。今ノルウェーからなかなか会えない家族が訪ねて来ているし、そういうわけで今日も行けないわ。それと、これからのクラスを午前中に変えて欲しいんだけど」

 それを先生に伝えた。

 「また休み!それはないよ。僕だって具合の悪い母がいるんだ。しかも時間を変えたいだなんて!」

 クラス終了後、貸しスタジオの主人が「来週からは夏休み時間で午前中のみオープンにするからね」と言う。

 先生と私、「それは勝手だ、貸しスタジオとしてちゃんと仕事してくれ」と抗議。そしたらオジサン怒り出す。

 「今はバカンスの時期なんだぞ!みんな海に行ってるのに私にだけ町に残れと言うのか!午後に使っているのはお前たちだけなんだ。しかも、最初は4人って言っていたのに2人になったり(使用者数で貸室料が上がる)、直前キャンセルしたり。こんな小銭でもって私のバカンスを奪う気か!」

 もう、真っ赤になって怒るので、私たちは出て行くことにした。先生が他のスタジオを探して、後日電話してくれると言う。


 だけど、約束の日が過ぎても電話はない。ないから私からすると、「ああ今しようと思ってたとこだ」と言う。

 「あそこのスタジオに明日」という連絡事項を私が他の2人に電話した直後、先生から電話。

 「やっぱりあそこは問題があって使えない。他をあたってから明日までに電話するよ」

 でも、当日になってもかかってこない。約束の3時間前に携帯に電話したが繋がらない。メッセージを残したが、かかってこない。

 1時間前にもう1度かけると「電話の調子が悪くってさあ、、、。でね、今週は無理だけど、来週から借りられるところがあるから、何曜日の何時がいいかもう1回みんなで決め直しといて」と言う。

 私たち3人は集まって新しい時間割を考える。私が先生に電話する。出ない。メッセージを残す。2日後に電話がかかってくる。スタジオ取れたよと。いくらするか聞くと、レッスン代よりも高いスタジオ代だった。

 私「そんなに払えない」
 先生「じゃあ、君がこのスタジオをキャンセルしておいてくれ。僕はまた他を探すよ」と言う。スタジオに電話すると留守電だったので伝言を残した。夜また電話したが留守電。もう1度電話したらFAX。先生に電話する。

 「留守電には入れときました」
 「そうか、明日また電話してみなよ。僕は今夜君に電話するからね、じゃあ後で」
ホントかなぁ、と思いつつ、「分かった」と返答した。もちろんかかってこなかったので、私から電話した。スタジオの場所と日時を確認し、CとDに連絡。

 1週間空いて、新スタジオでクラス再開。でも、10分もするとホコリでゲホゲホ状態になる始末。次のときには、Cが自宅から掃除機を持参し、まずは掃除から始めた。その次は、先生がスタジオの鍵を忘れて、家まで取りに戻った。「5分待って」と言われた私たちは、猛暑の中30分待った。

 その次はレッスン中、先生の厳しい指導でDが半泣きになり、D「ついていけないからやめようかと思う」

 それをなだめるのに20分は使った。次これ、次はこれ、、。最終日は、誰もつり銭を持っていなかった上に、近くの店3軒にも両替を断られ、結局私が先生に5ユーロの貸しをした。「今度会ったらおつりを返す」というたぶん守られないだろう約束をして、2ヶ月間の短期クラスは終了した。

 「終わって、良かった」が私の本音。ここに書かない細かいことはもっとある。調整役になって大変だった。Aが抜けてからは進行、連絡係。自習時間には先生役。2回休んだCのために補習クラスもやって、実際の先生のクラスではCとDのレベルに合わせた内容だったので私は退屈を我慢した。

 ここヘレスでは、私は「時間に正確な人、約束を守る人、すぐ行動する人、忍耐強い人」。でも、私を知っている日本の友人たち(いつも迷惑かけててすみません)から見れば、「いつも遅れてくる人、連絡してこない人、とろい人、不精な人」。

 さて問題です。いったいどっちの評価が的を得ているのでしょうか?


前回の原稿からだいぶ時間が経ってしまいました。理由は、忙しかったからじゃなく、バカンス気分だったからです。日本だったら、この返答に「バカたれぇ!!何様だと思ってるんだ。そんな態度で世の中渡っていけるとでも思ってるのか!顔洗って出直して来い!!」と罵声を浴びせられるところですが、幸か不幸か今、私はアンダルシアという正反対な精神を持ったところで暮らしています。ここでは、私がヘレス人に「、、、!そんな態度で世の中、、、!!」と思っているのですが、これを口にすると私が村八分にされるのでまだ言ってません。南フランス人の彼には言ったら「何そんなにがんばってんの?」とかわされてしまいます。


戻る