今年の3月、フラメンコマン第2回のアーティストとして登場したアントニオ・エル・ピパ。
インタビューに先立って、ふとこんな言葉をもらした。
「もう随分、日本に行ってないな。早くまた行く機会ができないかな?」
過去の来日経験は二度。最初は小林伴子さん、2回目は石井智子さんの公演に出演した時だが、それは10年も前のことだった。
来日がなければ、当然のことながら日本での知名度はそれほど上がらない。しかしスペインでは、1987年のヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、ビジャマルタ劇場での舞踊団旗揚げ公演「GENERACIONES(ヘネラシオネス)」の大成功を皮切りに着実にキャリアを積み、今やフラメンコ界のトップスターの1人である。ヨーロッパの名立たる劇場での公演、アメリカ各地のフラメンコフェスティバル、南米ツアー。そしてもちろん本国スペインでも、常にフェスティバルの“メインディッシュ”として迎えられている。
エル・ピパほどのアーティストが、「フラメンコの第二の故郷」「アンダルシアの9つ目の州」と言われるほどフラメンコが盛んな日本に10年も来ていなかったとは、たしかに不思議な話である。
舞踊団の最新作は「PUERTA ADENTRO」だが、海外ツアーでは前作の「DE TABLAO」も続演中で、そのヒターノ的色彩が好評を博している。最近の公演では、舞踊団員の7歳の男の子と16歳の少女の踊り手が持つ大人顔負けの迫力とグラシア(愛嬌)を、作品の中でエル・ピパが見事に引き出し、客席を大いに沸かせる場面も見られる。また、バイラオーラとのパレハ(ペアでの踊り)、カンタオーラの叔母フアナと対峙してのソレア、と見所の多い舞台を繰り広げている。
今年のヘレスのブレリア祭では、「エル・ピパの踊り以外何も要らない」とまでの大絶賛を受けたアントニオ・エル・ピパ。
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そのエル・ピパが12月に来日する。
3月の彼の言葉が魔法のように実現した。急遽決まった来日にも関わらず、37年の歴史をもつ老舗タブラオ「カサ・デ・エスペランサ」のご尽力で、踊りを披露する機会も得た。
12月16日(火)のタブラオ「カサ・デ・エスペランサ」への飛入りゲスト出演日は既に満員となったが、12 月13日(土)なかのZERO小ホールの「カサ・デ・エスペランサ公演 LAS CAMARERAS」の方は、まだ予約可能ということである。(12月1日現在)
Jスパ!コラムでもお馴染みの若林雅人氏のパフォーマンスで幕を開けるこの公演。500人収容のホールなので、かなり間近で出演者達の熱気を感じることができる。普段は従業員としてタブラオで働きながら、フラメンコを学んで来たCAMARERAS(スペイン語でウエイトレス)の踊りをたっぷりご覧いただいた後、特別ゲストとしてエル・ピパが登場する予定だ。
公演の最後を飾るフィン・デ・フィエスタでは、エル・ピパらしいブレリアが観られるよう、多くの方に会場に足を運んでいただき、是非会場が盛り上げていただきたい。そして次回は、舞踊団を率いての来日公演となることを、本人も日本のファンも強く望んでいる。
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