第8回 物足りなさの原因は?
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私の友人のSちゃんは、顔もかわいいし、男性からお声がかからないわけでもないのですが、なぜかフリーです。そして、独身です。

もちろん、短い期間だけ男の子と付き合ったりもしていますが、
「彼ってとってもいい人なんだけど、ちょっとだけ何かが物足りない」
といっては自然消滅にもっていきます。

彼女が短期間付き合う男の子たちはみんな、特に名のある企業で働いているわけでも、家がお金持ちというわけでも、いい車に乗っているわけでも、高学歴なわけでもありません。

そのかわり、絶対に顔は男前です。10人中9人の女の子が「カッコいいね〜」と感心するであろう、顔とさわやかさを持ち合わせています。

顔に関してはものすごく許容範囲が広いかわりに、高学歴の坊ちゃんっぽい人が好きな私としては、
(背景条件にこだわらないなんて、えらいなあ)と思わずにはいられないのですが、かといって、
(顔さえよければ、アタマの中身その他はどうでもいいのか?)
という疑問がないわけではない(勉強ができる→学習能力が高い→対女性問題についても、アタマがよく働くようになる確率は高くなるというのが私の持論であります)。

とにかく、ハタから見るに彼女の男の子を選ぶ上での第一条件は「顔」であり、顔はいいんだけどデートを仕切ってくれなかった、顔はいいんだけど女慣れしてなくてつまんない…という理由で物足りなさを感じることが多いようです。

そう、彼女は「顔がいいわりには、あまり女の子と付き合ったことがない、おとなしい奥手な男の子」が好きなのでした。

そうこうしているうちに、Sちゃんはついに「顔がよくて女ったらし」な年下の男の子と付き合いはじめました。

深夜に呼び出され、焼肉をおごらされた上に、彼が自宅に帰るためのタクシー代を払わせられる。Sちゃんの他にも付き合っている女の子がいるといって、写真を見せられる(しかも、自分よりもぜんぜんかわいくなくて、服の趣味が恐ろしく悪い女の子だったそうでございます)。たまに彼がランチ代を出してくれたと思ったら、その後しばらくの間「オレが金を出した」と恩を着せられる。土日はデートしてくれない。「オレの友だちが、オマエと付き合いたがってるんだけど、どう?」とすすめられた。

もちろん、その男の子と付き合っている間中、周囲の人々は「やめたほうがいいんじゃない? ひどいよ、彼」といいつづけていたのですが、Sちゃんはどうしても彼と別れたくないようす。

さまざまな事件をやりすごしながら、Sちゃんはとうとう、生まれてはじめて、2年半もの長きにわたって、男の子と交際をつづけたのでした。

しかし、あんまりよくない男と長きにわたって付き合っていると、女の子というものは、やせたり、やつれたり、顔が般若っぽくなったり、顔がゆがんだりしてくるものです(これも私の持論)。ただでさえほっそりしているSちゃんは、2年半の間に自分がすごくやせてしまったことに気づきました。

そこで、彼との関係を何とかしようと思い立ち、銀座の有名な占い師Aさんのところへと出かけていったのです。

Aさんに手相を看てもらい、
「あなたは見かけよりも頑固で人のいうことに耳を貸さない人です」
といわれ、
「ええーっ。そんなことないと思うけど」と反論したりしたそうですが、
「これまで付き合う男性はみんな100%の人ではなかったかもしれないけど、90%は満足できる人だったはずです。残りの10%の完璧さを求めるのは、男性の問題ではなくて、『もっといい人がいるかも』というあなたの中の不満の問題。男性が、あなたを100%と思ってくれているなら、幸せになれるはずなんだよね」
といわれ、何も言い返せなかったとか。

その後、Sちゃんはすぐに顔がいいけど女ったらしな彼と別れました。私は、
「友だちの意見は聞かなくても、占い師さんの意見は聞くのかい」
と思わずいいたくなりましたが、占い師Aさんの「10%の不満は女の子の中の問題」説はスバラシイと思わずにいられなかったのでした。

今の彼に、とっても愛されているのに、「なんかちょっと物足りない」と思っている女の子は、ぜひ、その物足りなさが本当に彼の側にある問題なのか、それとも、もしかしたら相手に完璧を求める自分の気持ちの問題なのか、一度探ってみるべきかもしれません。


ナスのへたのトゲトゲが小指に刺さりました。「トゲが刺さった」というと「何のトゲ?」と聞かれますが、「……ナスの」と答えると大爆笑されます。今後、一生ナスのへたには気をつける所存です。