第6回 「男を見る目」を養いましょう
酒井冬雪さんのプロフィール、新著のご紹介はこちら

2週間ほどヨーロッパを旅行してきた知人が、帰ってきたときは男前というか非常にハンサムな男の子を連れていた……という。

彼氏は自称「歌手」。自分の顔写真のついている古ぼけたカセットテープを1本持参しておりましたが、よくよくよくよく聞いてみると、本業は船乗りで、日本に来た目的は、「日本でもデビューを果たすため」というのでした。

ちなみに、音楽のジャンルは地元の民謡のようなもの。ここまできたら、だれが聞いても、
(それじゃ、日本でいうと演歌を歌う鳥羽一郎みたいなもの?)と思うに違いありません。

しかし、彼を連れて来た張本人である彼女は、
「この人の才能を埋もれさせておくのはおしいから、全面的に応援するつもり」
と、とても張り切っているのです。

たしかに、彼女には住む家も財力もあることだし、おあつらえむきに仕事もレコード会社のディレクターだし、何事もやってできないことはないかもしれません。少なくとも、わたしは「鳥羽一郎」をイメージせずにおれませんでした。

で、結果だけをお話すると、彼は日本でCDデビューを果たすために、特に何をするでもなく、ぶらぶらと東京を散策したり、彼女の案内でひなびた温泉地を旅行したり、楽しい3カ月を過ごすと、
「さみしい。ホームシックだ。ファミリーに会いたくなった」
とかわいそうな顔で泣きじゃくり、
「またすぐに帰ってくるから」
と言い残して、ヨーロッパに帰ってしまったのでした。もちろん、往きも帰りも航空券は彼女が買っていましたし、彼が日本に滞在中は彼女の家に泊まっていましたし、生活費も負担していたそうです。

それなのに、その後、彼女が何度電話をかけても彼と直接話をすることはできなかったという。周囲のだれもが、
「ただで日本を観光させてあげただけじゃん」というのですが、彼女は、
「ううん。いい恋だった」
と瞳をうるうるさせながらいうのでした。

この話を聞いて、わたしが疑問に思ったのは、
(外国人男性のダメさを見抜くのは、日本男児のダメさを見抜くよりもむずかしいのか)
ということ。

そこで、アメリカの大学に留学していたMちゃんとイギリスに語学留学していたKちゃん(ふたりとも外国人男性との恋愛経験あり)に、そのあたりのことを聞いてみました。 

すると、Mちゃんは、
「まあ、あたしもさいしょはヘンなのに引っかかったことがあるよ。でも、だんだんヘンさの理由がわかってきて、いい人とダメな人を見分ける目はついてきたと思う」
といいます。

「留学していた2年の間に、3人の外国人と付き合ったけど、結果、結婚するなら日本の男の人がいいなあという気持ちになった」
とKちゃんはいいます。

いずれにしろ、
「相手が外国人であろうが日本人だろうが、若いときは男を見る目が甘くて、ダメな男の子でも見た目とかにだまされやすい。しかし、年齢が上がるとともに、男を見る目というか人を見る目がこえてきたような気がする」

「相手の人が外国人で、さいしょはことばも通じない状態でも、心とか魂で通じるものがあれば、その人を信じていいんじゃないの」というのが、ふたりの主張するところです。

そういわれてみると納得で、同じダメな男の子にひっかかるのなら、あんまりやさしくない日本の男の子より、顔とスタイルがよくてレディーファーストな態度を取れる外国人の男の子のほうにだまされるほうがいいかもしれないという気がしてきます。

もちろん、最終目標は男の子にだまされちゃったりせずに、いい男性につかまえてもらうことです。

しかし、失敗から学ばない限り、男を見る目は肥えないわけであり、恋愛で失敗するのもそれはそれで振り返ると楽しい経験であるものです。

他人から見たら失敗でも、自分にとっては楽しい恋愛だったら、それでいいわけだし。失敗を恐れないどころか、失敗すら「美しくはかなかった恋の思い出」にしてしまう強さをもった女になりたいと思うわたしでした。

わたしの妹は子どものころから面食いでした。男前な男の子と結婚したときは「面食いと豪語してただけのことはあるね」と友人からホメられてました。ちなみにわたしは、友人から「男の趣味が…なんていうか、マニアック?」といわれます。バイエルン・ミュンヘンのゴールキーパー、オリバー・カーン選手を見たとき「わたしの理想が人間になって歩いている!」と感動したものです。デカさ、ゴツさがポイントでしょう。そういう一方で、こっそりとキアヌ・リーブスが好きだったりもします。そういえば、近々公開される、ディカプリオが主演の映画「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」の原作はおもしろかったので、おすすめします。ではでは、またね。