第4回 恋はガッツと気合い
酒井冬雪さんのプロフィール、新著のご紹介は

「出会いがないんだよねえ」とか「好きな人はいるんだけど、個人的に出かけたりするきっかけがつかめない」とか「付き合ってはいるんだけど、どうやって結婚に持ち込めばいいのかわからない」などという女性は多いものですが、そういう方に詳しく突っ込んだ話を聞いていってわたしが共通して感じるのは「ガッツ!」というか「気合い!」に欠けるのではないかなあ、ということです。
 
わたし自身もたぶんにそういうところがあるのですが、いざというときになると恥をかきたくない、みっともない姿を見せたくない、冷静な大人な態度(ポーカーフェイス)を崩してはいけないと思い、本当は熱かったりする想いを表現できず、クールな女ぶってしまうという。
 
で、後で考えてみると、どう考えてもただの都合のいい女になっていたり、恥も外聞もきにせず気合いをいれて、「あなたがいないと生きていけない!」と平気でいえちゃう女の子に彼をもっていかれたりするわけです。
 
あげくに、ダメだしで、
「きみは強い人だからひとりでも大丈夫だ。だけど、彼女にはボクがついていないとダメなんだよーっ」とかいわれたりして。

↑そこまでいわれたことはなくても、似たような経験をしたことがある人のために、今回は、前にも登場したわたしの幼なじみであるYちゃん(詳しくは第1回参照)のガッツ!について、詳しくお話してみることにします。

彼女はアメリカ人の男性と結婚したわけですが、結婚する前から、彼の仕事の関係でロスで同棲生活を送っていました。
 
ですが当時、まだ結婚する前の彼にはYの他にも付き合っている女性がいたというのです。
どうして他にも付き合ってる女性がいたのかわかったかというと、出張が多い彼のかわりに電話に出てみると、知らない女性から「彼はどこにいっているのか?」「いつ帰ってくるのか?」「ところで、あんたはだれなの?」とやけに高圧的な態度でいわれた。
 
そこで、Yちゃんはピーンときたというか、「あいつー」と彼に対してものすごくアタマにきたわけです。
 
それでも、ホレた弱みで2カ月ばかりは大人しく彼を見守っていたそうですが、じっくり観察していると明らかにこそこそ電話をしていたり、夜遅く帰ってきて翌日はやけにやさしかったりするのです。
 
暗くくもった気持ちで、どよ〜んと、彼はいったいどんな女と付き合ってるんだろう…と考えていると、またもや電話がかかってきた。はっ、例の女かもしれない。
 
Yちゃんはすばやく受話器を取りました。すると、電話の主は案の定、例の彼女ではないですか。またもや「あんたはだれ?」とケンカごしでいわれ、ムッとしたYちゃんは、「彼といっしょに住んでいる、彼の恋人よ」というと、ムッとした顔で彼に受話器をわたしました。
 
彼はビクビクした顔で、こそこそとベッドルームへ行って、子機に切り替えて話をはじめたのです。
 
Yちゃんは断固とした気持ちで、親子電話でふたりの会話を聞いてしまいました。ライバルの彼女は、
「本当にさっき電話に出た女といっしょに暮らしてるの? 二股かけてるわけ?」
としきりに彼を責めています。それに対して彼ったら、あろうことか、
「日本の友人を家に泊めてるんだ」
などと言い訳をしているのです。
 
Yちゃんはクローゼットからスーツケースを取り出して、自分の荷物をまとめました。顔を赤らめ、おどおどした物腰でベッドルームから出てきた彼は、Yちゃんを見ると、「荷物なんかまとめて何してるの?」
と大ビックリ。わりとたやすく怒りが頂点に達する彼女は開き直っていいました。

「親子電話で会話を聞いたけど、あなたってあたしと二股かけてたんだ。あたしは日本からきた居候の友人で、迷惑かけてるみたいだから帰らせてもらいます」

「ええっ、帰るなんてダメだよ。お願い、やめて。愛してるんだ。落ち着いて話し合おう」

彼女はすかさずいい返しました。
「ふうん。あたしを愛してるなら、今すぐ彼女と別れてくれる?彼女に電話して『ボクが愛してるのはYなんだ。彼女はとても大切な人だから、君にはもう二度と会えない。金輪際、電話もかけてこないでほしい』っていってくれる」

「い、い、今?」

「そう、今。あたし、あなたがちゃんと彼女と別れるかどうか親子電話で聞いてるから。そうじゃなかったら、このまま日本に帰る」

「…………わかった」
というわけで、Yちゃんは本当にこのことばとおりに実行し、彼とライバルの彼女を別れさせ、その後、無事に結婚にこぎつけたのでした。

この話を聞いて、ううん、もしわたしだったら、たぶんきっと、ジッと黙ってガマンして怒りをつもらせ、ある日突然怒り出してサッサと出て行っちゃう。もしくは「彼女と別れて」といいながら、自発的に別れるまで問題をほったらかしにしちゃうかどちらかだろうなあという気がしました。
 
やはり、Yちゃんのように鉄を熱いうちに打つガッツやら気合いやら強気やらがあったほうがいいのかもしれません。

酒井冬雪です。今年は×キロ(とてもここに表記できないほどの数字)太ったまま、けっきょくまったく体重を元に戻せない1年をすごしてしまいました。何がいけないんだろう。反省しながら新しい年を迎えようと思います。