フリーで生きる道を探る中、
彼との出会い、そして彼の応援!


93年9月に「フリーで生きて行ける道を探ろう!」と、語学留学でマラガへ来ました。主人のルドビコとは、95年6月に帰国の準備を始めていた時、共通の友人を通して知り合いました。その後、6ヶ月ほどビザの申請のために帰国して、再びマラガに戻ってくることになりました。

ベナルマデナにあるホテルで仕事が見つかり、雇用契約を取ることができたので、労働許可の申請が必要となりました。彼も私の生き方を理解しくれて、力になろうと弁護士や知り合いの方々などに相談するような形で協力をしてくれました。そんな中、お互いの親交が深まっていきました。

相談をした中の一人が、以前に労働省の役人だった方でした。その方から「貴方のようなしっかりした雇用契約あって、雇用主から必用されている人に許可が降りないなら、他の誰にも労働許可は降りないようなものだ」という言葉が出るほど、申請は大変なものでした。移民法が非常に厳しい時期だったため許可が出ずに、3、4年間ほどごたごたを繰り返していました。二人とも全く進展のない労働許可申請に疲れ果てていました。

結局、“腕利き”と評判の弁護士の方に、あっさりと「結婚するのが一番確実」と言われてしまいました。二人とも拍子抜けしてしまい、肩の力が抜け、お互いに結婚を決意しました。すでに彼とは長いこと一緒に暮らしていたので、その時期だったのかもしれません。私の中では、パートナーとの生活「結婚」という非常にプライベートなことに対して、周りの人達(特に親、親戚など)をも巻き込んでしまうような形になることに抵抗がありました。もちろん、どちらの親も『二人の歩み』を祝福して応援してくれました。

結婚を決めてからも、スペインでの入籍には色々と手続きが必要で苦労しました。フエンヒローラの裁判所で、私一人で最終面接があるというのには驚きました。女性裁判官と二人の生活や結婚意思について話すというもので、結局は私がスペイン社会に(言葉を含めて)適応できているかどうかを見極める面接だったわけです。98年の5月にフエンヒローラで入籍の申請を出したのですが、入籍が認められたのは11月でした。そして、同年12月に無事結婚式を挙げることが出来たんです。

マラガ・セントロの中央市場前にある旅行代理店を買い取り、昨年4月から主人と二人で経営を始めました。スペイン人のお客様がメインですが、私も日本人長期滞在者や日本人観光客の方々の旅のお世話が出来るようにと頑張っています!


二人で経営する旅行代理店


旅行代理店の仕事と、
娘の成長を見守る日々

平日の午前中は旅行代理店に出ています。1歳半になる娘のソフィアを10時に保育園に送り、それから出勤。3時には保育園に預けてある娘を迎えに行って、4時ごろ帰宅。娘の様子によっては、私は昼ご飯を食べたり、食べなかったり。娘のおやつ、遊びの相手、彼女の夕食、お風呂と、夕方8時ごろまではバタバタしています。

今のところは、娘が中心の生活ですね。そんな訳で、家事は完全手抜きの状況です(笑)。娘が寝てから少し休憩していると主人が帰ってくる時間で、夕食はよく彼が作ってくれます。

主人は午前中、代理店の2階の事務所で旅行業務以外にもいろいろな仕事をしています。午後は私と一緒に帰ってくることもありますが、それでも家で何か仕事をしています。また、オフィスに残っていることも、打ち合わせでどこかに行くこともありと様々です。娘の入浴も面倒見てくれるほど主人は子煩悩で、なるべく娘のお風呂に間に合うように帰ってきたいようですが、なかなか難しい状況です。

土曜日は隔週で代理店に出ないといけないので、必然的に主人が行くことになります。私は少し家事を済ませて、ミハスの郵便局の私書箱を覗きに行き、市場で買い物をすることもあります。その足で昔の職場へ元同僚達の顔を見に行くのが恒例となっていて、そのまま2時間ぐらいおしゃべりすることもありますね。夫が帰ってきてから食事、午後は家族3人で外出します。

日曜日は、フエンヒローラのロス・ボリッチェスにあるカフェテリアで、主人の友達と朝食を食べるのが恒例です。その後は、友人と海岸通を散歩したり、緑地で日向ぼっこをしたり、時には、そのまま友人の両親も含めて家族ぐるみで中華レストランでお昼を食べることもあります。

週末の午後には、夫の実家に顔を出します。彼のお母さんやの姉さんは、娘をとにかくかわいがってくれるので、私はいつもお任せしてしまいます。スペインでの親類とのお付き合いはあまり堅苦しいことを気にしなくていいので、日本の親戚付き合いよりきっと気楽でしょうね。おかげさまで、楽しくやっています!


子煩悩なパパと、愛娘ソフィア佳子ちゃん

スペインでの出産・子育て

出産のエピソードですが、スペインらしい“妊婦の知恵”にはビックリしました!妊娠4ヵ月頃、少しずつ膨らみ始めたお腹が気になって“妊娠線予防クリーム”を購入しましたが、ひと月も経たないうちに使い果たしてしまいました。スペイン人の年配の友達から「私達の頃は、オリーブオイルをお腹に塗っていたものよ。私なんか3人も産んだけど、妊娠線なんかできなかったわよ。バージンエクストラを使ったほうがいいわ。クリームに比べたら、安いもんだから」と聞き、さっそくオリーブオイルをお腹にすり込んでみました。そのおかげか、妊娠線はなんと一本も出来ませんでした。これには、「さすが、スペイン!」と感心させられましたね(笑)

スペインでの出産は健康保険がカバーするシステムで完全無料と、意外にも医療制度は充実しているんですよ。そういった意味では、「スペインで出産して良かった」と思っています。この国では夫の立会い出産が当たり前で、私も主人に励まされながら無事娘を出産することができました。産後には、日本から母が1ヵ月ほど手伝いに来てくれて助かりました。

日本での子育て状況をあまり知らないのですが、日本の閉塞的な状況に比べるとこちらの子育て環境は楽かなと思います。子育ては始めたばかりで、しばらくは娘がどのような人格の持ち主であるかを見極めることに専念します。彼女に私の価値観を押し付けないように注意したいと思っています。彼女が自分でやりたいと思うことを応援してあげたいですね。それを見つけられるように、いろいろな可能性をできるだけ広げてあげるのが私の仕事と思っています!まあ、その前に、人間としての最低限のモラルと礼儀のようなものは教えないといけないでしょうけど。

主人は子育てにとても積極的で、助かっています。スペイン人でも珍しいほうかも知れないですね。彼曰く、「子育てを奥さんに任せっぱなしにしている奴は、人生の、一番面白い、ワクワクすることを自ら放棄しているようなもんだ」そうです。

あまり予定を立てる性質ではないので、今後の予定は特にありません。ただ、日本に5年も帰っていないので、もう少し頻繁に帰れればいいなぁーとは思っています。

取材・文 浅野ひろ子

明石典子さんとルドビコさんが経営する旅行代理店のHP